マゲシカ約40頭、官邸前に押し寄せる!
1300年にもわたって小さな馬毛島の中で生命を受け継いできたマゲシカ。マゲシカからその環境を奪う。無数の生きものたちの住処を奪い、命を奪う。種子島の人びとが「きょうだい島」「こころのふるさと」「宝の島」と呼ぶ島をまるごと壊し、海を潰す。 こんなに残酷な基地計画を、私はほかに知りません。
それは琉球弧に暮らす人びとや生きものたちを踏みにじる、きわめて残酷な軍事計画の一部です。島じまを最前線基地に仕立て上げ、軍事緊張にさらします。海峡封鎖を主眼とするミサイル攻撃の拠点とし、島じまの戦場化を想定し、さらにいったん始まった戦争を長く続けられるように、連なる島じま全体をつくり変えていくものです。
本体工事着工(1月12日)から半年が過ぎ、 森林の伐採も大規模に進み、痛ましい姿を見せています。そしてそこは、巨大な利権をめぐる不正の温床になっていることが明らかになってきました。
この残酷な、平和を踏みにじる工事を、一刻も早くやめろ!
【7.21 馬毛島に基地を造らせてたまるか!マゲシカデモ/呼びかけ:STOP大軍拡アクション、島じまスタンディング】
7月21日は、約40頭の参加でした。マゲシカデモは姿を変え形を変えながら、何度でも、さらに何十倍何百倍もの大群となって押し寄せたいと思います。
以下、 集会での発言をまとめました。山添さんからは、馬毛島基地建設工事のとんでもない利権まみれの実態・官製談合疑惑が暴露されました。
◆◆官邸前◇発言より◆◆
■山添 拓さん(参議院議員 日本共産党)
お集りのマゲシカのみなさんこんにちは。今日は馬毛島にすむマゲシカに扮して、馬毛島を壊すなと、一緒にアピールしにきました。
私は2月に参議院の外交防衛委員会の調査・視察で馬毛島を上空から見てきました。岩礁の浅い海がひろがっていて、青い海も本当に目に鮮やかでしたが、そこに大きな艦船がつけるような港を造ることになれば、相当な大工事になると、そのとき説明を受けました。そして、滑走路を造ります。マゲシカはもちろん、そこにすむいきものたちの生態系、あるいは海に影響を及ぼすことは当然だと思います。
壊しちゃいけないんじゃないでしょうか。
こうやって造られようとしている基地は訓練に使うだけではなく、おそらく米軍とも一緒に使っていくことになるでしょう。そして一戦交えるようなことになれば出撃拠点になり、出撃すれば当然、反撃の対象にもなっていく。日本を戦争に巻き込むようなそういう基地建設を大々的に進めようとするものだと思います。
しかもこの間、しんぶん赤旗でもスクープとして報じてきたのですが、工事に関して官製談合が行われているのではないかと、67の工事のうち50件、75%が異常な落札だと、分かっています。
差額0.1%未満の神業落札が9件もあったと。あるいは予定額の97%を超える1社しか応札しないという、これが18件、あるいは1社だけは残して入札していた複数の業者が次々と脱落していくという異常な経過をたどったものが23件。九州防衛局の入札監視委員会も問題視してきたといいますが、それでもこういう異常な経過が、手を変え品を変え進められ、行われている。
この馬毛島の工事というのは、自然を壊し戦争を招き入れ、しかも一握りの業者が莫大な利益を掴むような、そういう異常なもの。しかもそれを官製談合でやってきたんじゃないか!おかしなことばっかり進められている。こんな工事を進めさせてはならない。そのためにマゲシカと一緒に声を上げたいと思いますし、今日は官邸前ですので、このマゲシカの声を、首相もしかと受け止めていただいて、工事の中止を!と訴えたいとおもいます。
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■■(今回の言い出しっぺの)杉原 浩司さん(武器取引反対ネットワーク NAJAT 代表、STOP大軍拡アクション)
期待に反して警察には放置されたということで、私たちも堂々としたアピールができてとても良かったと思います。できれば、ぐみ坂だけでなく、国会議事堂を一周するとか、あるいは官邸を包囲するとか、またやってもいいかなと、もう少し人を集めてやれたらいいなと思っています。
工事が強行されてから半年たっています。もちろんまだまだ年数はかかるわけですけれども、この基地建設の工事が地元の種子島に対して様々な悪影響を与えているということが地元の報道ではさかんに報じられています。
マゲシカについて
馬毛島の中でずっと生きてきた。メスと子鹿は中央部の森で、オスは海岸に近い草原という厳しい環境で暮らす、集団の棲み分けという非常に珍しい生態です。真ん中の森のあたりでメスの鹿や子鹿は生きているはずで、工事が進めばどうなるかは明らかです。
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ですから今日一回ではなくて、次は奄美や石垣や宮古の生きものといっしょにここに来ましょう。みなさんもぜひ準備する側にまわっていただけるといいなと思いました。
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▶YouTube動画 マゲシカデモ!無意味なミサイル基地化で失われる馬毛島の豊かな自然環境〜マゲシカが官邸前に押し寄せる!馬毛島に基地を造らせてたまるか!(こばと通信 -声を上げる市民-)38分35秒
工事が強行されてから半年たっています。もちろんまだまだ年数はかかるわけですけれども、この基地建設の工事が地元の種子島に対して様々な悪影響を与えているということが地元の報道ではさかんに報じられています。
工事関係者がひじょうにたくさん来ていて、地元のアパートの家賃が6畳一間で約10万円に暴騰しているということがあります。
もともとここ数年不漁で、漁業が厳しくなっていたということはありますが、さらに漁業禁止区域がつくられて、いま、漁師の人たちも漁をするんじゃなくて、工事関係者を島に送り届けるような仕事でなんとか食いつないでいるというような状況があります。
地元のスーパーで、地場の魚を売りにしていたスーパーで、ほとんど地元の魚がない、ということになっていて、地元の人のなかには、あと4年で漁業ができなくなる、ということを言われている人もいるんです。
そういう形で、地元の暮らしや経済を乱暴に変質させながら、とにかく防衛省は早く工事をしろということで、工期を詰めるような形にさせている。工事関係者にインタビューすると、このままではいつ事故が起きてもおかしくないと、いうことを言っている人もいるそうです。本当に乱暴で暴力的な工事が続いているんだと思います。
マゲシカについて
専門家の空からの目視で推定320頭、防衛省の環境アセスの調査では700~1000頭生息しています。
馬毛島の中でずっと生きてきた。メスと子鹿は中央部の森で、オスは海岸に近い草原という厳しい環境で暮らす、集団の棲み分けという非常に珍しい生態です。真ん中の森のあたりでメスの鹿や子鹿は生きているはずで、工事が進めばどうなるかは明らかです。
間違いなくこのままいけば生きていけなくなるわけです。そんなことが分かっていながら、環境省は何をしているんだ、というふうに思いますし、いま盛んにSDGsとか生物多様性とか言われてきてもいるわけです。貴重な生きものたちが、マゲシカに限らず、絶滅させられる。しかもそれが、必要のない、緊張を煽って戦争をおびきよせるような、そんな無茶苦茶な軍事基地建設のために、そうやって命が奪われるということが、この時代に起きているということが、ほんとうにあり得ないことだと思っています。
ですから、今日はまだ数十頭で収まりましたけれども、このまま放置すれば、数百頭数千頭のマゲシカが押し寄せるということになりかねないということを肝に命じて、しかと心得て、ということで、今日で収まらない、これからも様々なアクションを粘り強く続けていきましょう。
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■■■ハワイ在住の方(大学院生)
ハワイに住んでいます。
ハワイと琉球、同じように、危険な軍事基地の問題が起こっていますので、連帯のメッセージを上げたいと思います。
ハワイと琉球、同じように、危険な軍事基地の問題が起こっていますので、連帯のメッセージを上げたいと思います。
オアフ島のアメリカの軍事基地。環境汚染の問題、先住民への暴力。命がひじょうに危ない問題。軍事活動と資本主義の問題。このまま汚染が進んだら、暴力が進んだら、島の未来は、この先の世代は…
人間の命だけではなくて、水の命、こどもの命、シカの命…、絶滅を避け、正義と平和の世界をつくろうと思います。
■■■■植松 青児さん(STOP大軍拡アクション)
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今日来られたマゲシカのみなさん、でもここに来たがっているのはマゲシカだけではありません。奄美大島からはアマミノクロウサギがたくさんここに来て訴えようとしています。石垣島や宮古島からはたぶんカンムリワシやウミガメのみなさんが、ぜひここに来たいと言っています。
ですから今日一回ではなくて、次は奄美や石垣や宮古の生きものといっしょにここに来ましょう。みなさんもぜひ準備する側にまわっていただけるといいなと思いました。
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いまの(ハワイ在住の)方に続けて、太平洋の話をしたいと思うんです。
私たちずっと訴えてきたことー南の島々が、八重山や宮古や奄美が戦場になる・かもしれない、ということをずっと言ってきましたが、太平洋全体を見回してみましょう。すでにそういうことが20世紀の歴史で起きてきたんです。
みなさんパールハーバーがハワイにあることはご存知ですよね。パールハーバーでどことどこが戦ったかも、ご存知だと思います。
でもおかしいと思いませんか? なんで、日本とアメリカの戦いが、ハワイだったのか。ハワイの人が、日本に何かしたんですか? そんなことはありません。ただ僕も含めてそうでしたが、それを不思議だと思ってこなかったんです。パールハーバー、日本とアメリカが戦った。そこの戦場となったハワイ、オアフ島ですね、オアフ島の人びとのことなんて、私も含めて、おそらく日本人のほとんどが、これっぽちも考えてこなかったと思います。
つまり、日本とアメリカが対立したのがパールハーバーだと私たちは思ってきました。それは間違いじゃありませんが、こういう見方もできると思うんです。
日本とアメリカが一緒になってハワイをぶち壊したんですよ。
ハワイの自然環境をぶち壊す爆弾をいっぱい落として、あの島を無茶苦茶にしたんです。つまり加害者は日本とアメリカ共同であり、両方であり、被害者はハワイの人びとと、ハワイの自然環境・ハワイの生きものなんですね。
それが1945年に起こった、それが繰り返されようとしているってことです。
この馬毛島もそうです、奄美そして石垣、宮古、与那国、沖縄島…これから起きることはすでにハワイで起きたことであり、グアムでも起きたことであり、ペリリュー島や他の島々で起きたことが、繰り返されるってことです。
そういう過ちを犯してきた帝国主義が同じことを繰り返すことを、私は、黙って容認することは出来ないと思います。
パールハーバーひとつとって見ても、そういう暴力は起きてきた。それを私たちは気づかないでいた。そして気づかないままだったら、これから同じことが石垣や宮古や与那国で起きても、私たちは、本当に、心を痛めないで、過ぎ去ってしまうでしょう。
ハワイがアメリカの植民地になったのは1895年、同じ年に日本は台湾を植民地にしています。本当に同時に起きています。台湾とハワイの歴史と言うのは、まさに同時代、同時に起きたことです。自己決定権が奪われ、ハワイでもアメリカによって大虐殺が起きています。台湾でも日本軍によって大虐殺が起きています。そうやって島々は、帝国に、踏みにじられてきた。その歴史が終わってないということだと思います。終わらせましょう!ぜひ。
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最後に、これはつけたしです。
来週、7月27日。何の日かみなさんご存知ですか? たぶん私を含め日本人のほとんどが、何の日?って思うんですよ。でも朝鮮半島の人びとにとってこの日は、知らない人はほぼいないでしょう…朝鮮戦争が休戦した日です。休戦した日から、来週の7月27日で、70年です。戦争終わってません。ただの休戦です。戦争状態が続いています。
来週、7月27日。何の日かみなさんご存知ですか? たぶん私を含め日本人のほとんどが、何の日?って思うんですよ。でも朝鮮半島の人びとにとってこの日は、知らない人はほぼいないでしょう…朝鮮戦争が休戦した日です。休戦した日から、来週の7月27日で、70年です。戦争終わってません。ただの休戦です。戦争状態が続いています。
日本も実はそうです。僕は立川のそばに住んでますけど、立川にはまだ国連軍があります。朝鮮戦争の片方の国連軍が、まだ立川にあるんです。戦争は終わってません。なんで終わってないのでしょうか? 終わって当然の戦争が終わってません。
さらに言えば、あそこにいる首相官邸に岸田がいますけど、岸田は昨年も、この朝鮮戦争が終わることに難色を示しました。彼は朝鮮戦争が終わってほしくないと、はっきりと態度で示しています。岸田に限らず安倍のときからそうでした。この国は、朝鮮戦争が、引き続き、のびのびになることを望んでいる国です。こんな国は私は絶対に許せない。なので来週、この場所に立ちます。
僕はマゲシカのお面つけてますが、基地を押しつけてる側の東京の人間なんで、結局はその立場として、言わざるを得ない。朝鮮戦争を終わらせるのを妨害するなと、来週言います。そしてこの場所でもずっと続けて、南の島に軍事基地を押しつけるな、パールハーバーのようにしたいのか、私はしたくない、そう訴え続けたいと思います。
▶YouTube動画 マゲシカデモ!無意味なミサイル基地化で失われる馬毛島の豊かな自然環境〜マゲシカが官邸前に押し寄せる!馬毛島に基地を造らせてたまるか!(こばと通信 -声を上げる市民-)38分35秒
■■■■■ その後(追記:8月14日)
7月23日(日)「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」総会
7月27日(木)八重石遺跡 現地調査終了
馬毛島で、5月から行われていた旧石器時代の遺跡「八重石遺跡」の現地調査が終了。「約1050点の遺物とみられるもの」が出土したものの、「重要な遺構は出土しなかった」。
今後、調査対象となっていた滑走路や駐機場の予定地に隣接する約8700㎡の区域で工事が可能になったとのこと。
このニュースの映像で、「着工半年」の7月12日前後と比べて、かなり森林の伐採が広範囲に広がっていることが分かります。
8月 7日〜「のろのろ台風6号」種子島・屋久島地方へ
馬毛島に残っていた人は大丈夫だったのでしょうか? また、むき出しになった土砂が海に流れたりしなかったのでしょうか?
8月 7日 『鹿児島県熊毛地域の危機』
西之表市(種子島)在住の方の論考です。▶馬毛島情報局facebook
8月10日(木)住民監査請求ヒアリング
昨年9月・10月・11月に住民約470人が提出した市有地売却の差止めなどを求める住民監査請求が、今年5月になって「受理」され、先月にそのほとんどが「却下」された件で、「馬毛島情報局」の三宅さんが西之表市監査委員からヒアリングを受けました。
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