〈報告〉いつまでも基地のない平和な石垣島を!大軍拡予算を通すな!2.22官邸前行動

琉球弧の島じまを壊して戦争をつくるな!
石垣島に軍用車両を入れるな!
石垣島にミサイル入れるな!
ミサイル基地 開設ではなく撤去しろ!

  …2023年2月22日(水)夕方の首相官邸前。参加約50人で声を上げました。
【いつまでも基地のない平和な石垣島を!大軍拡予算を通すな!2.22官邸前行動】
呼びかけ:STOP大軍拡アクション、島じまスタンディング
 

基地のない平和な石垣島!
(7年前の「与那国駐屯地」開設までは、「基地のない平和な八重山諸島」)

 1944年3月、「南西諸島防衛」を名目に第32軍(日本陸軍)が編成。8月、32軍隷下の独立混成第45旅団司令部が石垣島に置かれ、8~9月に主力部隊が上陸しました。9月には、石垣島海軍警備隊も編成されました。その後1945年10月に米軍による武装解除が終了するまでの約1年半、この期間だけが、石垣島が軍事化され戦争に利用された歴史上例外的な時間でした。

 「戦後」78年間、基地のない平和な石垣島が受け継がれてきた、そのことの価値、重み。しかし日本政府は島じまを「防衛の空白地帯」と呼んでその価値を真っ向から否定し、「島嶼防衛」を名目に掲げ、「厳しい安全保障環境に対応するため」と言って「離島機能」というものを押し付け、基地のない平和な石垣島をふたたび力ずくで奪おうとしています。
 
“私達の石垣島には「戦争」という言語はありません”
 
…いのちと暮らしを守るオバーたちの会、山里節子さんから、メッセージをいただきました。ぜひ、お読み下さい。 ▶石垣島からのメッセージ
 
石垣島ミサイル基地(「石垣駐屯地」)開設(※「完成」ではない)へ向けた防衛省の計画(2月末時点)

2月17日、沖縄防衛局の濱和彦企画部長が石垣市役所に中山義隆市長を訪ね、3月中旬に部隊を発足させる方針を伝達。
“部隊配備に必要な庁舎や車両整備場、厚生施設、火薬庫など「必要な施設整備が整った」と説明した上で、警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊など約570人を配置する予定とした。装備品については、車両約200台のほか、弾薬も陸路で搬入すると説明”
(沖縄タイムス、2.18)

3月初めに12式地対艦ミサイル発射機を含む車両約200台を民間船を使って陸揚げし、3月4~6日、公道を使って運ぶ。
3月16日、部隊配備完了
地対艦ミサイル部隊(「第303地対艦ミサイル中隊」)、地対空ミサイル部隊(「第348高射中隊」を九州から移駐)、警備部隊(「八重山警備隊」)など約570人
3月18日頃(15~19日?)、ミサイル・弾薬搬入。海自の船舶で石垣港まで運び、陸自車両で公道を通って基地内の4棟の弾薬庫へ。
車両や弾薬の搬入時は、防衛省は抗議行動を想定し機動隊派遣を求める考え。
4月2日 開設記念行事

〈追記〉2月25日午前、何の通告もなく、陸上自衛隊の軽装甲機動車、トラック、救急車など、約30両が民間船で石垣港に運び込まれた。
 
〈追記2〉2月28日、トラックなど陸上自衛隊の車両約15台が、民間貨物船を利用して石垣港に運び込まれた。陸自幹部数人が空路で石垣島に入った。
 
 
以下、集会の発言内容をまとめました。
「呼びかけ」から島じまスタンディング・石井杉戸(発言内容を整理・補足しています) 
 
 戦争の準備というものは、ある程度長い時間をかけて進められるものだと思いますが、それがあるレベルまで達すると、あとは一気に進むものだと、社会全体の空気も含めて急速に変わっていくものなのだと、いま感じています。

 「島じまスタンディング」というのを、与那国島に新基地が開設した翌年に始めました。それから、奄美大島に2か所、宮古島に2か所…と次々に琉球弧に基地が造られていくのを見てきました。そして、この「自衛隊の南西シフト」の進捗状況に合わせるようにして、日本とアメリカの対中国戦争態勢が進んで行くのを見てきました。

(2015年の戦争法と日米ガイドライン改定。2018年の防衛大綱。2018年アメリカ太平洋軍が「インド太平洋軍」に改称。2019年、アメリカのシンクタンクが「海洋プレッシャー戦略」を発表。この戦略にも沿うような形で、米軍は軍事戦略の軸足をインド太平洋地域へ。2021年、米議会でPDI(太平洋抑止イニシアティブ)創設、以後「自由で開かれたインド太平洋」をスローガンに多国間の対中国包囲の取り組み・共同軍事演習など激化、同時に「台湾有事」キャンペーン本格化と琉球弧を戦場とする日米共同作戦計画の策定。2022年10月、アメリカ「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」、12月、日本「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」。現在、「大軍拡予算」国会で審議…など)

 いま、石垣島のミサイル基地開設が企てられています。今年は、沖縄島の勝連分屯地への地対艦ミサイル部隊配備も計画されています。この辺りまでを、私たちは「自衛隊南西シフトの第一段階」と呼んでいます。10年以上かけて具体化されてきた琉球弧の最前線基地化。ミサイル戦争態勢の基盤づくりであり、戦争の「準備」です。

 「第一段階」が完成すると、日本は、実際にこの島々で戦争を構えることになります。自衛隊の言葉では「即応態勢」です。第一段階完成のめどが立ってきたこのタイミングで「安保3文書」が改定され、日本の大軍拡が、一気にエスカレートしようとしています。日本国憲法に替わるようなこの「安保3文書」体制下で、自衛隊の南西シフトも「第二段階」へ向かおうとしています。

(敵基地攻撃ミサイル・各種新型ミサイルの配備。「馬毛島基地」建設。新部隊配備や更なる増強。琉球弧の全ての民間空港や港湾の軍事化、軍事利用に適したインフラ整備、基地の抗たん性強化・基地司令部や自衛隊病院等の地下化、米軍基地自衛隊基地の日米共同使用、輸送力・展開能力の強化、弾薬庫の増設…など)

 「第二段階」…、琉球弧の島じま全体を日米共同の作戦領域として、最適化。島じまが、対中国ミサイル戦争の攻撃基地として、大国同士の覇権争いの道具として、つくり変えられようとしています。一方で戦争を構えながら、「5年後」を想定しながら、進められつつあります。

 ここまで、やりたい放題やらせてしまいました。しかし、このような状況におよんで、この南西シフトの目的が島じまを守るためではないことが、誰の目にも明らかになっています。そして、島じまを危険に晒すことは織り込み済みであり、この地域に軍事緊張をつくること自体が目的であることも、明らかです。
住民を騙して、脅威を煽って行われる軍拡が、平和のためであるはずがないのです。

 住民を騙して進められた計画は、中止以外あり得ません。

 琉球弧で暮らす人びとは、「島々を戦場にするな!」「沖縄戦を繰り返すな!」と訴えています。そう訴えなければなければならない状況に、置かれてしまっています。「首都圏」に住む私たちは、この声にどう応えるのか、考え、行動しなければならないと思います。
 
 
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湯本雅典さん(映像ジャーナリスト)

 2018年から石垣島に通って取材を続け、今年で5年目になるという湯本さん。まず、3月の車両・弾薬の搬入や部隊発足の計画について「かなり具体的になってきている。なかなかこの緊迫した状況が首都圏には伝わってこないが、現地ではものすごい緊張した状況にあると思う」と。
 そして、若者たちの住民投票運動など、石垣島の市民運動のこと…


「2015年、当時の若宮防衛副大臣が石垣島にいきなり入って、中山市長に対して、平得大俣という場所にミサイル基地を造りたいということを告げた。次の日の新聞報道で、陸上自衛隊の駐屯地が造られると初めて報道された。それまでまったく島民は知らされていなかった。ずーっとその頃から、住民の頭越しで進んでいるんです。」

「2015年のミサイル基地の通告があった直後に、基地予定地の周辺の4つの公民館が抗議決議を上げた。2017年、市民が署名運動を始めて、市民の3分の1以上の反対署名を集めきった。そのような闘いがあって、当初は中山市長は基地賛成とは言わず、4年前(2018年)の市長選挙では、ミサイル基地なら反対する、と公約にして市長選挙に出て、当選した直後に基地を受け入れたという状況があり、それからさらに現地での運動が大きくなっていった。」

「そのうちのひとつが、住民投票を求める会の、平得大俣にミサイル基地を造っていいのか是非を問う住民投票運動です。」

「石垣市には自治基本条例というのがあって、市民の4分の1以上の署名を集めれば、所定の手続きを経て、市長は住民投票を行わなければならない。」

「石垣市の自治基本条例をふまえて市民は署名運動を始めた。なんと、3分の1の署名を集めたんですよ。有権者は約3万5千人で、1万4千以上の署名を集めた。想像してもらいたいんですが、みなさんの市町村で3分の1ってどのくらいの人数になるのか!」

「それだけ集めきって市に提出したが、市は自治基本条例ではなく、地方自治法…50分の1を集めたら議会に提案できるという…この法律にのっとって、議会で議決をした。そしたら10対10、で議長採決で残念ながら否決されてしまった。それ以来市長は、1万4千人以上の署名を無視して、今日に至っている。」

「市民は裁判まで起こしている。市長には住民投票を行う義務があるという裁判を起こしたけれど、残念ながら、市長に対して義務がある、という裁判は負けてしまった。ひどい裁判です。それにめげずに、市民がいまやっている新しい裁判は、市長に義務があることを認めないならば、市民には権利はないのか、という当事者訴訟というもの。これが、5月23日の地方裁判所で判決が出ます。ほとんど『本土』に伝わってこないので、ぜひとも関心をもって見ていただきたいと思います。」

◯石垣市 住民投票を求める会 ▶ホームページ ▶ツイッター

▶湯本雅典さんホームページ
▶ドキュメンタリー映画『若きハルサーたちの唄』(2021年11月完成)
 
 
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植松青児さん(STOP大軍拡アクション)

 7年前からここ(官邸前)で、最初は3人、5人という人数で、琉球弧の軍事化への抗議行動を行ってきた植松さん(琉球弧自衛隊配備反対アクション)。まず「いつも同じことを言いますが」と…

「石垣島を守るためではない、日本を守るためですらない、誰のためなんだ?
こんなミサイル基地建設、今すぐやめてしまえ!」

 ところでこの日、島じまスタンディングで、石垣島の生き物の絵のプラカードを用意していました。

「動物、蟹…いろんな生きもの、官邸前にこういった生きもののイラストが、押し寄せている、ということの意味を考えます。この生きものは、言葉を発することができません。言葉を発することができないから、道の向こうの政府、首相等は、もちろん耳をかたむけたこともないし、この生きものたちの生存のことを微塵も考えないでしょう。そしてさらに言えば、石垣に住む人びとの声も聞いてはいないし、ちょっと言い方が雑になりますが、石垣島に住んでいる人たちのことも、ひょっとしたら同じ人間と思って向き合っていないのではないかと、思わざるを得ません。」

「今日この場にいろんな生きもののイラストが来てるってことは、道の向こう側にいる自民党政府岸田政権たちが、踏みにじってきた生きものたちの抗議のデモストレーションじゃないかと、思うのです。もちろん私たちはその生きもの自身ではなく、代弁するしかありませんし、また代弁というものは常にひじょうに不十分なものです。それでもなおかつ、石垣島に住む人びとと生きものの声を聞け、と、声が枯れるまで言わざるを得ないと思います。」

 その上で、これから私たちが「台湾有事」を口実に進められる軍拡に対峙するときに、考えなければならないことについて、重要な指摘がなされたと思いました。

「私たちもまた、石垣島の人びとの声をもっと聞くべき。それにもうひとつ加えるならば、実は私たちは、台湾の人びととちゃんと向き合う必要があるし、声を聞く必要があると思っています。」

「この『台湾有事』ってものが、『日本有事』と結びついてはいない。実は台湾有事が起こっても、日本有事にはならないってことは、多くの人が指摘していますし、私もその通りだと思っています。しかし市民運動の側が『台湾の問題は中国の国内問題である、台湾の人びとは、台湾有事が起こらないように、大人しくして欲しい』というふうなことを、口が裂けても言うべきではないと思います。少なくとも今、台湾の人びとは、中国の完全な一部になることを、大多数が望んでいません。ただ、独立宣言を出せば完全に、軍事衝突になりかねないから、独立宣言・独立運動を起こさないだけであり、また、中国は一応、台湾は平和的統一を目指すと言っており、多くの市民運動の方もそれを強調するんですが、大事なことはもうひとつあります。」

「中国は台湾に一国二制度を導入するということを、つまり香港のようにするってことを、本気で言っています。いま香港では、基本的に、中国の政府に敵対する人間は選挙に立候補もできません。それが香港の現状です。その同じ制度を、いつかは台湾に導入すると中国は言っています。到底それを台湾の人びとが受け入れるはずがありません。台湾の人びとは主体的に自分たちの島を自分たちで統治していこうと考えている。そういう中で、これ以上対立が激化したときに、私たちは間違っても、台湾の人たちは大人しくして下さいと、言ってはいけないと思います。市民運動の中でそういう意見が出てきたら、はっきりおかしいと言うべきです。」

「…この問題を切り捨てて、『台湾問題に日本を巻き込むな』とだけ言っておけば私たちすっきりと運動できるのは百も承知ですが、また、台湾の人の声を聞くってことは、私たちにとってひじょうに難しい選択を迫られることになりますが、今のうちに言っておこうと思いました。」

「そして最後に、台湾の人たちと沖縄の人たちが対立する、という構図だけは絶対につくってはいけない。『私たちの平和のために、台湾の人びとは大人しくしてください、中国の言いなりになってください』…そういうような対立が起きないような市民運動を、ぜひみなさんとつくっていきたいと、私は思います。」
 
  
 
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横山哲也さん(戦争に協力しない!させない!練馬アクション)

 練馬で活躍している横山さんは、「みんなに見えなくなっていること」として、自分たちそれぞれの足元で起こっていることについて…

「『重要土地規制法』…離島を中心に注視区域とか特別注視区域とか指定され、軍事基地のある町、基地周辺に住む人たちの情報をデータベース化して、監視の対象にしていく。しかし別に基地のすぐそばに住んでいなくても、『その他関係者』とかいうとても便利な概念がございまして、基地のそばに住んでる人の友だちも対象になったり…、だから住んでるところは関係なく、平和を願ったり、軍事化に対して抵抗感のある方たちの住民情報を収集していこうっていう動きが非常に顕著になっています。」

「残念なことに、基地問題についての取り組みに、重要土地規制法の問題を取り込んでる方が非常に少ない。」

「内閣府、政府中枢とやりとりするのも大事ですが、実際に、内閣府に私たちの個人情報を提供していくのは自治体です。住民基本台帳の情報を、求められるがままに提出していく。私たちにはもちろん、あなたの情報を内閣府に提供しました、なんてことは告知されません。知らない間に、みなさんひとりひとりが、『その他の関係者』としてどこに住んでいてもひっかけられるわけです。
そういうような状況に対して危機感を持ちまして、私どもの地域は…陸上総隊司令部がある陸上自衛隊朝霞駐屯地、さらに首都圏の治安部隊である第一師団の練馬駐屯地がございまして、ふたつの基地を抱える町ということで、地元近隣の方たちとこの問題に取り組んでおります。」

「ぜひ、どんな小さなところでもいいですから、自治体を相手にしてください。そうすると、とんでもないこと、考えられないことになっているのが分かります。」

「たとえば非核都市宣言とか出してる自治体、けっこう多いですけれども、自衛隊の募集業務等に関ししても、ほぼ何のチェックも、あるいはためらいもなく実際の窓口を通して行われたり、言われるがままに情報を提供したり、というような形で、自治体の軍事化っていうのが進行しています。役人を相手にすれば、ええこんなになっちゃってるの、ということがたくさんあります。中学生の子どもには、自衛隊の高等工科学校の案内がダイレクトに送られるようになっている。工科学校というのは、学校って名前をつけてますが、少年兵を確保して行く手段なんです。」

「僕らが知らないところで、とんでもない世の中になってきている。今からでも遅くありませんから、それぞれの地域でやっていくってことを、大事にしないといけないと思います。
南西諸島と言われる南の島々の人びとの闘いと連帯するということは、同時に、自分たちの足元でもとんでもない軍事化が進んでいるってことを念頭において、地域の問題・自分たちの問題としてそこで頑張り抜いて、今の世の中全体が軍事化して行く中で、それを少しでもくい止めたり、あるいは無力化していく取り組みが重要になっていきていると思いますので、ぜひそのへんについてもがんばってまいりたい。」


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石垣島からのメッセージとうた Fujikoさん(島じまスタンディング) 
動画の27:27~をご覧ください


3月4〜5日は【全国集会in石垣島】があります!
 
3月4日(土)現地案内と交流集会
14:00 バンナ公園北口駐車場集合
16:00 交流集会in於茂登公民館
 ※雨天時:大川公民館(石垣市100-1)にて交流集会予定
 
3月5日(日)島々を戦場にさせない全国集会in石垣島 
13:30 新栄公園(石垣市新栄4)集合
14:30 デモ行進出発
※雨天時:大浜公民館(石垣市175-1)にて交流集会予定(デモは中止)


STOP大軍拡アクションの予定
 
3月1日(水)
岸田内閣の退陣を求める~やめろ軍拡!とめろ原発! 3.1官邸前アクション
呼びかけ:STOP大軍拡アクション、再稼働阻止全国ネットワーク 
首相官邸前/第1部 17:30〜18:30/第2部 18:30〜20:00
 
 
3月3日(金)
破りすてちゃえ!安保3文書 3.3アクション
主催:STOP大軍拡アクション  
衆議院第2議員会館前/15:00〜15:30
※勝手に決められた「安保3文書」の全ページ(約90枚)を破りすてる抗議のパフォーマンス
 
ミサイルではなく暮らしを!大軍拡予算組み替えを求める 3.3院内集会
主催:STOP大軍拡アクション協力:平和を求め軍拡を許さない女たちの会
衆議院第2議員会館多目的会議室/16:00〜18:30
 
 
3月16日(木)
基地のない平和な石垣島を!官邸前行動
呼びかけ:STOP大軍拡アクション、島じまスタンディング
首相官邸前/18:30〜19:30
 
ぜひ、ご参加ください!

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