《呼びかけ》琉球弧・大分・青森、拡大するミサイル弾薬庫計画に抗議する 9.26官邸前行動

 
 
島じまを守るためでも、日本を守るためでもないミサイル配備をやめろ
琉球弧・大分・青森、拡大するミサイル弾薬庫計画に抗議する 9.26官邸前行動


9月26日(火)18:00~19:00
首相官邸前
(国会議事堂前駅 出口4)

〈呼びかけ〉
島じまスタンディング  ishiisugito@gmail.com(石井)
STOP大軍拡アクション  090-6185-4407(杉原)

■宮古島・保良で
 人の暮らす島に、人が住む場所の近くに、軍事施設を造ってはならない。ましてや、強力な破壊力を持つミサイルを置くための弾薬庫を民家のすぐ傍に造るなど、もってのほかだ。…このような世界的に共有されているレベルの、最低限住民の安全を保障するという考え方が、一連の琉球弧への自衛隊配備においてまず放棄された。
 2021年、宮古島東部に「保良訓練場」開設、2棟の弾薬庫が造られミサイルも搬入された。保良と七又、静かだった2つの集落に軍用車両が走り回り、集落の目の前でミサイル部隊が展開訓練を行う。さらに、3棟目の弾薬庫建設に向けて用地未取得にも関わらず関連工事が始まっている。

■拡大する弾薬庫計画
 与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島、奄美大島で、そして大分や青森などで、新たなミサイル弾薬庫の建設工事が進められ、あるいは計画されている。2027年度までに70庫、10年後には130庫を整備する方針だ。

■膨張する新型ミサイル大量配備計画
 昨年12月策定の「〝安保〟3文書」以降、ミサイル戦争態勢が、とてつもなく危険な領域に入ろうとしている。ミサイル配備計画がどんどん膨張しているのだ。
 「12式地対艦誘導弾能力向上型」は今年度から量産態勢に入り(三菱重工)、2026年度から各地の弾薬庫に運び込まれる計画だ。防衛省の来年度予算概算要求では、「火薬庫の整備」に約221億円、「弾薬の確保」に約9,303億円、「スタンド・オフ防衛能力」に約7,551億円、「統合防空ミサイル防衛能力」に約1兆2,713億円などが計上された。

■「反撃(敵基地攻撃)」「分散」「継戦」

 このミサイル整備の目的は、「島じまを守る」でも「日本を守る」でもない。
 これはアメリカ主導の「対中国海峡(海上)封鎖態勢」づくりである。地対艦ミサイルで相手の攻撃拠点(中国の反撃拠点)を直接叩き、海峡封鎖態勢を保持する、そのために島じまは「軍事要塞」化を強いられているのだ。
 さらにいま、防衛省は攻撃拠点や弾薬庫を「分散」させ、「継戦」能力を保持して、海峡封鎖態勢を少しでも長く継続する、つまり「持久戦」態勢をつくろうとしている。
…「持久戦」を強いられた沖縄戦さながらの、あるいはずっとそれ以上の残酷な事態を、防衛省は想定しながら、ミサイル配備を拡大しているのだ。

■「持久戦」を支え、住民を危険にさらす弾薬庫にNo!を
 もうこれ以上、「安全保障」や「国防」を騙る残酷な戦争政策を進めさせるわけにはいかない。この戦争を支え、住民を危険にさらすミサイル弾薬庫を造らせない! すでにあるものは撤去を!
もうこれ以上、保良を踏みにじるな! 琉球弧の島じまを踏みにじるな!

官邸前行動にぜひご参加ください。

 
▼▼▼以下、補足資料▼▼▼

①宮古島・保良

2019年3月26日 宮古島・千代田に「宮古島駐屯地」開設、警備部隊等が配備。同時に、「造らない」と言っていた弾薬庫が造られ、その中に迫撃砲弾などが運び込まれていたことなど、数々の防衛局のウソが発覚(この弾薬庫はいまだに撤去されていない)。それからわずか半年後の10月7日…

2019年10月7日保良で基地建設工事が強行された。地元の反対決議は一顧だにされなかった。

2020年3月、「宮古島駐屯地」に地対艦ミサイル部隊と地対空ミサイル部隊が配備された。

2021年4月「陸上自衛隊 保良訓練場」開設。いちばん近い民家から250メートルも離れていない場所に2棟の弾薬庫が完成した。弾薬庫から半径1キロメートル以内には保良・七又の集落がすっぽりと収まる。
静かだった集落周辺に、ものものしいミサイル車両をふくむ軍用車両が走り回るようになった。基地全体が訓練場として使われ、集落の目の前でそこを戦場に見立てた軍事訓練が展開された。5月には夜間空砲射撃訓練が行われた。防衛省は2018年の説明会で野外訓練で振動や騒音が生じることはないと言ったが、24日深夜、射撃音が集落に響き渡り、翌25日には模擬弾を使用した火砲訓練でドーンという音が集落に響いた。

2021年6月2日、弾薬庫に最初の弾薬類の搬入が強行された。海運業者の弾薬輸送拒否などがあり、自衛隊ヘリを使っての「腹いせ」のような搬入だった。11月14日、ミサイルを積んだ海自の艦艇が宮古島・平良港に入港。多くの人びとが必死に抵抗し抗議の声を上げる中、地対艦誘導弾などのミサイル・弾薬が本格的に搬入されたと思われる。(※実際に搬入された弾薬類の種類や量を、防衛局は秘密だとして明らかにしない。保安距離が守られているかどうかも、住民は知ることができない。)
 
基地開設から2年以上が過ぎた現在、自衛隊の活動は一段とエスカレートしている。軍用車両が集落内に侵入することが増えた。2023年5月15日、保良自治会は「振動・騒音を伴う訓練をしないこと」と「軍用車両が保良集落内を走行しないこと」を求める要請書を「宮古島駐屯地」に提出。するとその翌日、これが答えだと言わんばかりに、ミサイル車両が保良集落内を走行した。6月からは訓練仕様にカモフラージュ・ネットをつけたままの軍用車両が頻繁に公道を走るようになった。交代要員の隊員の移動に装甲車が使われることも増えた。駐屯地司令が変わって以来、住民の抗議活動に対して正門で警備にあたる自衛隊員が警察に通報するという嫌がらせが続いている(警察は形式的な対応で、やって来てはすぐに帰る)。7月9日、「覆道式射場」完成に伴う「地元見学会・説明会」では地元住民らを基地内に招き、屋内の射撃訓練だけでなく、屋外での戦場さながらの銃撃戦の訓練を見せつけた。銃撃音が響き渡り赤い煙が巻きあがった。8月4日には宮古島では初の、自衛隊の公道行進訓練が「保良訓練場」をスタートとゴール地点として行われた。8月15日、「保良訓練場」は土地規制法の「特別注視区域」に指定施行された。ドローン規制の対象には2022年8月に指定されている。
 
今年7月、まだ用地未取得の3棟目の弾薬庫建設計画地周辺で、地面を掘り下げる工事が始まった。現在、未取得地との境界ぎりぎりまで造成工事が進んでいる。(上の写真)
 
8月31日、来年度末までに「宮古島駐屯地」を拡張し、電子戦部隊を配備する方針が、来年度予算概算要求公表に伴い判明。 
 
地元住民の方々は、2019年10月7日の着工の日から現在まで、日曜日や工事のない日以外のほぼ毎日、ゲート前で抗議・監視活動を続けてきた。着工当初は一日に7回も8回も、一日中ゲート前に立つこともあった。この活動を支えてきた一家の住む家は、弾薬庫から300メートル、北側ゲートから150メートルという位置にある。この家の隣りの土地が、あろうことか自衛隊員宿舎の建設予定地にわざわざ選ばれている。(上の写真)
 
 

 ②拡大する弾薬庫計画 自衛隊関連

スタンド・オフ・ミサイル等を保管するための火薬庫を増設する(2022『防衛力整備計画』)

有事において自衛隊が粘り強く活動でき、また、実効的な抑止力となるよう、十分な継戦能力の確保・維持を図る必要がある。このため弾薬の生産能力向上及び製造量に見合う火薬庫の確保を進め、必要十分な弾薬を早急に保有する(2022『国家防衛戦略』)

火薬庫の確保に当たっては、各自衛隊の効率的な協同運用、米軍の火薬庫の共同使用、弾薬の抗たん性の確保の観点から島嶼部への分散配置を追及、促進する。(2022『防衛力整備計画』)

今後、おおむね10年後までに、弾薬及び部品の適正な在庫の確保を維持するとともに、火薬の増設を完了する(2022『国家防衛戦略』)


●与那国島(陸自)
2022年12月、地対空ミサイル部隊配備とそのための基地拡張(18haの新基地建設)計画が発覚。新たに弾薬庫も造られる。将来、地対艦ミサイル部隊の配備が企てられている可能性が高い。

●石垣島(陸自)
2023年3月16日「石垣駐屯地」開設、地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊等配備、3棟の弾薬庫にはミサイルが搬入された。現在、4棟目の弾薬庫が建設工事中。

●宮古島(陸自)
2019年3月26日「宮古島駐屯地」開設、住民を騙して弾薬庫1棟設置。2020年3月、地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊配備。2021年4月「保良訓練場」開設、2棟の弾薬庫が完成。同年11月14日、本格的にミサイル搬入。現在、3棟目の弾薬庫建設着工に向け、用地未取得にも関わらず関連工事中。

●沖縄島(陸自)
2023年度内に、地対艦ミサイル部隊配備と地対艦ミサイル連隊本部設置計画。これに伴い、弾薬庫改修の予定。しかし弾薬庫は保安林指定区域内にあり、法律上工事は許されない。

●奄美大島(陸自)
2019年3月26日「奄美駐屯地」「瀬戸内分屯地」開設、地対空ミサイル部隊、地対艦ミサイル部隊等配備。自然豊かな森を剥ぎ取って造られた瀬戸内分屯地で、現在山をくり抜いて弾薬庫を建設中…攻撃に対し脆弱な「地上覆土式」ではなく、本格的な地中式(トンネル式)の弾薬庫。今年11月頃、4、5本目の弾薬庫建設に着手する予定。それに加え、新たに3棟の弾薬庫を増設するため隣接地の取得を目指すという。

●馬毛島
2023年1月12日、「馬毛島基地」建設本体工事着工。弾薬庫も造られる。

◯大分(陸自)
2023年11月、「大分分屯地」(通称 敷戸弾薬庫)に地中式弾薬庫2棟新設計画で、このうち1棟着工の方針。「湯布院駐屯地」には、地対艦ミサイル連隊を2024年度末までに発足させるという。

◯横須賀(海自)
2022年、比与宇(ひよう)地区に弾薬庫14棟が完成。

◯青森(海自)
2023年春、「大湊基地」に弾薬庫2棟の建設工事着工、工期は約3年。さらに、4棟を新設する調査を実施。また、後方支援の機能強化をめざし、大型艦船が入港できるよう湾内の掘削工事を来年度開始する方針。
 
追記(9月20日)
「防衛省は2024年度、北海道、宮崎、鹿児島、沖縄の4道県の陸上自衛隊施設9カ所で弾薬庫の整備に着手する方針を固めた。」と共同通信の報道(9.18)
北海道:6ヶ所で調査を実施▶沼田分屯地(沼田町)、近文台分屯地(旭川市)、白老駐屯地(白老町)、足寄分屯地(足寄町)、日高分屯地(日高町)、多田分屯地(上富良野町)
宮崎県:2棟の設計を始める▶えびの駐屯地(えびの市)
鹿児島県:▶瀬戸内分屯地(瀬戸内町・奄美大島)
沖縄県:5棟の設計を始める▶沖縄訓練場(沖縄市)


③ミサイル計画

反撃能力を保有する必要がある。(2022『国家安全保障戦略』)

遠距離から侵攻戦力を阻止・排除できるようにする必要がある。このため、「スタンド・オフ防衛能力」「統合防空ミサイル防衛能力」を強化する。(2022『国家防衛戦略』)

我が国への侵攻を抑止する上で鍵となるのは、スタンド・オフ防衛能力等を活用した反撃能力である。(2022『国家防衛戦略』)

12式地対艦誘導弾能力向上型等のスタンド・オフ・ミサイル弾道ミサイル防衛用迎撃ミサイル(SM-3ブロックⅡA)能力向上型迎撃ミサイル(PAC-3MSE)長距離艦対空ミサイル(SM-6)03式中距離地対空誘導弾(改善型)能力向上型等の各種弾薬について、必要な数量を早期に整備する。加えて、早期かつ安定的に弾薬を量産するために、防衛産業による国内製造態勢の拡充等を後押しする。(2022『防衛力整備計画』)


「スタンドオフ・ミサイル」
■12式地対艦誘導弾(南西シフト・海峡封鎖態勢の主力)「能力向上型」
射程を現行の約200kmから約1,000kmへ伸ばす等「能力向上型」の開発と量産が計画され、防衛省と三菱重工との新たな契約が今年4月に結ばれている。射程は、最終的には1,500kmを目指すとの報道も。
地発型…開発:2021年度開始~2025年度までの開発完了を目指す。量産:2023~2027年度、2026年度から納入
艦発型…開発:2021年度開始~2026年度までの開発完了をめざす。
空発型…開発:2021年度開始~2028年度までの開発完了をめざす。

■島嶼防衛用高速滑空弾
高高度・高速滑空飛しょうし、地上目標に命中する。「マルチプルEFP(爆発形成浸轍体)」という弾頭は、敵上陸部隊の上空で、起爆後爆発的に形成される貫通弾が高密度・広範囲(数百メートル四方)に降り注ぐというもの。防衛省と三菱重工との量産契約が今年4月、新たに結ばれている。
早期装備型…開発:2018年度開始~2025年度までの開発完了を目指す。量産:2023~2027年度、2026年度から納入
能力向上型…「本土等のより遠方から、島嶼部に侵攻する相手部隊等を撃破するための島嶼防衛用高速滑空弾(能力向上型)を開発する」(2022『防衛力整備計画』)

■極超音速誘導弾
「研究を推進し、2031年度までの事業完了をめざすとともに、派生型の開発についても検討する。」(2022『防衛力整備計画』)

□長射程誘導弾部隊
「島嶼防衛用高速滑空弾(能力向上型)及び極高速音速誘導弾を装備した長射程誘導弾部隊を保持する。」(2022『防衛力整備計画』)

■潜水艦発射型(長射程)誘導弾
開発期間:2023~2027年度。防衛省と三菱重工との契約が今年4月結ばれている。

■島嶼防衛用新対艦誘導弾
「長射程化、低レーダー反射断面積(RCS)化、高機動化を図りつつ、モジュール化による多機能性を有した島嶼防衛用新対艦誘導弾を研究する。」(2022『防衛力整備計画』)

防衛省の来年度予算概算要求では、「火薬庫の整備」に約221億円、「弾薬の確保」に約9,303億円、「スタンド・オフ防衛能力」に約7,551億円、「統合防空ミサイル防衛能力」に約1兆2,713億円などが計上された。




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