【パレスチナに、琉球弧に、自由を!平和を!2.7官邸前行動】の報告①
2月7日(水)18:00〜19:00首相官邸前
呼びかけ:STOP大軍拡アクション、島じまスタンディング 参加:約50人
1月28日、外務省はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出を一時停止すると発表。これはいったいどういうことなのか。
認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)事務局長 の伊藤解子さんにお話していただきました。
■お話:伊藤解子さん
皆さん、寒い中でお疲れさまでございます。
私たちJVCは国際協力NGOとして、30年以上パレスチナでの活動を行ってまいりました。10月7日のガザ・イスラエル間の攻撃が始まってから、すぐに停戦を求めていきながらも、既に4ヶ月が経ってしまいました。この間、世界中で停戦を要求する声が立ち上がっていますが、それも空しく、なかなか停戦に至らない。なぜなのか、と本当に悲しく思いながらも、活動を続けています。
ガザに拡大した攻撃から、多くの人びとがいまも逃げ惑い続けている。4ヶ月間、逃げ惑い続けている。その現実が、この数千キロ離れた日本に伝わっていないこと、そして政府が深刻に受け止めてくれていないのではないかということに、疑問を感じながら、アクションを続けています。
現時点では、イスラエルが始めに言っていた「自衛権」とか「ハマスの掃討作戦」、そういった説明にいまや説得力はなくて、本当に無差別に一般市民を巻き込んだ攻撃が行われているのが明白です。
現時点での破壊は、いま停戦が行われたとしても、2090年までもとのガザに戻すことはできないような、それほどの被害になっている…という国連の発表も出ています。
そんな中で先月末、国連パレスチナ難民救済事業機関・UNRWAの現地職員複数人が10月7日の攻撃に関わった、という疑いがイスラエルから発表されたことを受けて、米国をはじめとする複数の国々が、UNRWAへの支援を停止いたしました。そしてそれに追随するような形で、日本政府までが、3千500万ドルの追加の拠出金を一時停止するという発表をしました。
本当にこれ、私たちにとって愕然とする発表だったと思います。
即座に、私たちJVCをはじめとするNGO7団体で声明文を作りまして、即時撤回を求めて、外務省に提出をしました。先週の木曜日には記者会見を行いましたし、月曜日には直接、外務省の政務官に渡してまいりました。昨日までに、139のNGO・民間団体の皆さんから賛同が寄せられております。ここまで多くの賛同を得て、行動を起こしても、なぜか政府は動いてくれない。本当にもどかしく感じております。
昨年から4ヶ月間、前例のない規模の空爆が起こっているガザ。そこでなにが起こっているのか。私たちは日々、ガザの中の人びとと、通信が途絶える中で、何が起こっているのか把握しながら、支援活動を少しでも進めようとやってきています。
ガザの中の状況は、1月末までに2万6千以上の方々が死亡していて、それ以上の方が、本当に悲惨な負傷も含めて…負傷されていて、行方不明者も多々出ていると…。イスラエル軍が、そちらの方に行ったら攻撃しないよと、そういうことを言って、ガザの人口の80%・170万人以上の方が、移動を強制的にさせられている。そして雨も多い季節なんですけど、過酷な状況の中で避難生活を強いられている。食料、水、衣料品などが、枯渇している。不衛生な環境で、感染症、そして飢餓状態に入り始めていると…。本当に人道的な大惨事が起こっている、という中にあります。
そういう中で、UNRWAというのは、私たちNGOともすごく緊密に一緒に活動している組織です。このUNRWAへの資金拠出の停止を今している日本政府・外務省は、赤十字や世界食糧計画、ほかの国連機関を通した支援を模索しているという説明をされました。ただですね、やっぱりUNRWAに変わる役割をする団体というのは、本当に見つけにくいのが現状です。
UNRWAというのは、食料、医療といったセクターに限らず、避難所の運営であったりと、…5万人という職員を抱えて、ガザの中での活動を、ボランティアも含めた活動を、展開してきている組織だったんです。
まさにライフラインであり、ガザの人びとの命の最後の砦。そのUNRWAへの支援を停止するという判断が、どれほどのことを語っているのか、政府がどこまでそれを自覚しているのか。
停戦を求めながら、なかなか行動してくれない。それに加えてこういった判断をする、ということに、本当にがっかりしている状況です。
私たちが日々活動を共にする現地のNGOの団体の方々も、本当に疲弊してきています。自らも避難しなくてはいけない、そういったことで、南部のラファに移動しています。パレスチナの土地を、ガザを守りたい、でも家族のことを考えると、もう脱出するしかないんじゃないか、ということで、脱出するという希望のリストに載せたという話も聞きました。ひとりにつき何千ドルという、払う事もできないような資金を、どう準備しているんでしょうね。本当に、脱出するしかないんじゃないかという状況に陥れられていて、パートナーの医療の支援をやっている団体の代表は、先週ぐらいまで守っていた地域のクリニックもイスラエル軍に包囲されて、もう逃げるしかないと、そういう状況になっています。
そういった状況でUNRWAへの支援を停止するっていうことが、どれだけの意味を、ガザに残された人びとに対して持っているのか。もっと深刻に考えていただきたいと思っています。
そして資金拠出の停止によってUNRWAは、2月いっぱいをめどに、ほぼ活動ができなくなるであろうと言われています。
あと数週間後には、人びとが、何の支援ももらえなくなる、という状況が迫ってきている。そういうことが考えられるということです。なので今週、私の同僚たちが外務省にこの現状をお伝えして、本当にもう差し迫っている問題なんだと。そういったことを、何千キロも離れていると感じられないことかもしれないんですけれども、NGOとして、市民として、どうにか停止を撤回してほしい。そういったことを伝えてまいりました。
UNRWAの職員についてのイスラエルの発表の直前に、ガザの状況を受けて、1月26日にオランダ・ハーグの国際司法裁判所 ICJが、イスラエルに「ジェノサイドを防止するためのすべての措置」を講じるようにと、暫定的措置を命じました。これに対しては日本政府、けっこう早く反応してくださって、上川外務大臣もいち早くその役割に支持を表明していました。
この暫定措置命令というのは、誠実に履行されるべきもの、ということで政府も発表したわけです。一方で、UNRWAへの拠出停止という決定。これって本当に相反している決定である。ガザの人びとの生活の条件を、この停止によって破壊する。現在求められているのは、「ジェノサイド防止のためのあらゆる措置」になるものなのに、その反対を行っていると、そういうふうに考えています。
そしてUNRWA職員の攻撃への関与について、調査の結果を待ってから、というふうに発表しているんですけど、もちろん調査はしていただいて構わないと思いますが、
3万人を抱えるUNRWAの職員のうちの、一部の、個人の、関与を理由に、ガザに残されている数百万人の方々の支援が停止される。それが人道支援継続を危機に陥れているということ。これは国際法違反、集団的懲罰にあたる可能性があるとも言われています。
日本政府は今まで中東外交においては、欧米の各国とは違う一線を引いてやってきた中で、パレスチナ外交においてもですね、中東からとても高い評価を受けていたと思います。中東のみなさんも親日の方が多かったと思います。そういった中で、こうしてUNRWAへの支援を即時停止する。そういった判断というのは、どこかで、アメリカ追従、一部の欧米の各国の追従になっているのではないかと、そういった安全保障政策をこういったところでも政府は使うのではないかと、そういう疑念さえ私たちは覚えています。
繰り返し言わせていただきます。イスラエル パレスチナの問題は、10月7日に始まったのではないです。長い間パレスチナの人びとが苦しんできました。もちろん、イスラエル側でも、平和活動をしている方々がいました。多くの方々が活動をしてきていた中で、なかなか解決しない問題として残ってきた中にいたんです。なので、10月7日を言い訳にこうした行動をくり返していること、これ以上許してはいけないと、ICJ命令や、国際法違反にも該当する可能性のあるUNRWAへの支援の停止というのは、本当に、即時、撤回していただきたいと、私たちは考えております。
こうした中で、NGO職員、私たちの同僚、今も現地に残っていて、現地の日本政府にも要請文を提出したりしています。もしよろしければ、私たち、日本国際ボランティアセンターのウェブサイトにも、声明文、掲載しておりますので、賛同をご検討いただけたらと思っています。
▶日本国際ボランティアセンター
https://www.ngo-jvc.net/
▶NGOによる外務省への要請文:日本政府によるUNRWAへの資金拠出一時停止の撤回を求めます
https://www.ngo-jvc.net/activity/advocacy/20240131_gazastatement.html
引き続きですね、日本政府には、即時停戦のために強く強く動いていただきたいと願っていますし、同僚たちが、そして仲間たちが、友人たちが、力が尽きることのないように、精一杯動いていきたいと思っています。
この戦争が国際人道法違反であることが明らかですけれども、この人道法違反を放っておいている国、…私たちも、その人道法違反をしていることになるのだと、そういった意識を持って、「世界はなぜ、停戦にしてくれないのに、それよりも、さらに、支援まで停止してしまうのか」と、パレスチナ・ガザの私たちの友人にもう顔向けができないような事態が続かないように、本当に力いっぱい、政府に訴えていきたいと思っています。
最後に…「国際社会は、人道法違反は認めない。絶対に、この戦争を止めなきゃいけない。そして私たちはガザのことは忘れていないんだよ」という意志を、パレスチナの友人・仲間たちにも届けながら、政府にも、国民の皆さんにも、表明し続けるアクションを継続していこうと思っています。
国家間の駆け引きではなくて、中東外交を進めてきた日本の役割に期待をしていきたいと思います。
引き続き、がんばってまいりましょう。ありがとうございました。
皆さん、寒い中でお疲れさまでございます。
私たちJVCは国際協力NGOとして、30年以上パレスチナでの活動を行ってまいりました。10月7日のガザ・イスラエル間の攻撃が始まってから、すぐに停戦を求めていきながらも、既に4ヶ月が経ってしまいました。この間、世界中で停戦を要求する声が立ち上がっていますが、それも空しく、なかなか停戦に至らない。なぜなのか、と本当に悲しく思いながらも、活動を続けています。
ガザに拡大した攻撃から、多くの人びとがいまも逃げ惑い続けている。4ヶ月間、逃げ惑い続けている。その現実が、この数千キロ離れた日本に伝わっていないこと、そして政府が深刻に受け止めてくれていないのではないかということに、疑問を感じながら、アクションを続けています。
現時点では、イスラエルが始めに言っていた「自衛権」とか「ハマスの掃討作戦」、そういった説明にいまや説得力はなくて、本当に無差別に一般市民を巻き込んだ攻撃が行われているのが明白です。
現時点での破壊は、いま停戦が行われたとしても、2090年までもとのガザに戻すことはできないような、それほどの被害になっている…という国連の発表も出ています。
そんな中で先月末、国連パレスチナ難民救済事業機関・UNRWAの現地職員複数人が10月7日の攻撃に関わった、という疑いがイスラエルから発表されたことを受けて、米国をはじめとする複数の国々が、UNRWAへの支援を停止いたしました。そしてそれに追随するような形で、日本政府までが、3千500万ドルの追加の拠出金を一時停止するという発表をしました。
本当にこれ、私たちにとって愕然とする発表だったと思います。
即座に、私たちJVCをはじめとするNGO7団体で声明文を作りまして、即時撤回を求めて、外務省に提出をしました。先週の木曜日には記者会見を行いましたし、月曜日には直接、外務省の政務官に渡してまいりました。昨日までに、139のNGO・民間団体の皆さんから賛同が寄せられております。ここまで多くの賛同を得て、行動を起こしても、なぜか政府は動いてくれない。本当にもどかしく感じております。
昨年から4ヶ月間、前例のない規模の空爆が起こっているガザ。そこでなにが起こっているのか。私たちは日々、ガザの中の人びとと、通信が途絶える中で、何が起こっているのか把握しながら、支援活動を少しでも進めようとやってきています。
ガザの中の状況は、1月末までに2万6千以上の方々が死亡していて、それ以上の方が、本当に悲惨な負傷も含めて…負傷されていて、行方不明者も多々出ていると…。イスラエル軍が、そちらの方に行ったら攻撃しないよと、そういうことを言って、ガザの人口の80%・170万人以上の方が、移動を強制的にさせられている。そして雨も多い季節なんですけど、過酷な状況の中で避難生活を強いられている。食料、水、衣料品などが、枯渇している。不衛生な環境で、感染症、そして飢餓状態に入り始めていると…。本当に人道的な大惨事が起こっている、という中にあります。
そういう中で、UNRWAというのは、私たちNGOともすごく緊密に一緒に活動している組織です。このUNRWAへの資金拠出の停止を今している日本政府・外務省は、赤十字や世界食糧計画、ほかの国連機関を通した支援を模索しているという説明をされました。ただですね、やっぱりUNRWAに変わる役割をする団体というのは、本当に見つけにくいのが現状です。
UNRWAというのは、食料、医療といったセクターに限らず、避難所の運営であったりと、…5万人という職員を抱えて、ガザの中での活動を、ボランティアも含めた活動を、展開してきている組織だったんです。
まさにライフラインであり、ガザの人びとの命の最後の砦。そのUNRWAへの支援を停止するという判断が、どれほどのことを語っているのか、政府がどこまでそれを自覚しているのか。
停戦を求めながら、なかなか行動してくれない。それに加えてこういった判断をする、ということに、本当にがっかりしている状況です。
私たちが日々活動を共にする現地のNGOの団体の方々も、本当に疲弊してきています。自らも避難しなくてはいけない、そういったことで、南部のラファに移動しています。パレスチナの土地を、ガザを守りたい、でも家族のことを考えると、もう脱出するしかないんじゃないか、ということで、脱出するという希望のリストに載せたという話も聞きました。ひとりにつき何千ドルという、払う事もできないような資金を、どう準備しているんでしょうね。本当に、脱出するしかないんじゃないかという状況に陥れられていて、パートナーの医療の支援をやっている団体の代表は、先週ぐらいまで守っていた地域のクリニックもイスラエル軍に包囲されて、もう逃げるしかないと、そういう状況になっています。
そういった状況でUNRWAへの支援を停止するっていうことが、どれだけの意味を、ガザに残された人びとに対して持っているのか。もっと深刻に考えていただきたいと思っています。
そして資金拠出の停止によってUNRWAは、2月いっぱいをめどに、ほぼ活動ができなくなるであろうと言われています。
あと数週間後には、人びとが、何の支援ももらえなくなる、という状況が迫ってきている。そういうことが考えられるということです。なので今週、私の同僚たちが外務省にこの現状をお伝えして、本当にもう差し迫っている問題なんだと。そういったことを、何千キロも離れていると感じられないことかもしれないんですけれども、NGOとして、市民として、どうにか停止を撤回してほしい。そういったことを伝えてまいりました。
UNRWAの職員についてのイスラエルの発表の直前に、ガザの状況を受けて、1月26日にオランダ・ハーグの国際司法裁判所 ICJが、イスラエルに「ジェノサイドを防止するためのすべての措置」を講じるようにと、暫定的措置を命じました。これに対しては日本政府、けっこう早く反応してくださって、上川外務大臣もいち早くその役割に支持を表明していました。
この暫定措置命令というのは、誠実に履行されるべきもの、ということで政府も発表したわけです。一方で、UNRWAへの拠出停止という決定。これって本当に相反している決定である。ガザの人びとの生活の条件を、この停止によって破壊する。現在求められているのは、「ジェノサイド防止のためのあらゆる措置」になるものなのに、その反対を行っていると、そういうふうに考えています。
そしてUNRWA職員の攻撃への関与について、調査の結果を待ってから、というふうに発表しているんですけど、もちろん調査はしていただいて構わないと思いますが、
3万人を抱えるUNRWAの職員のうちの、一部の、個人の、関与を理由に、ガザに残されている数百万人の方々の支援が停止される。それが人道支援継続を危機に陥れているということ。これは国際法違反、集団的懲罰にあたる可能性があるとも言われています。
日本政府は今まで中東外交においては、欧米の各国とは違う一線を引いてやってきた中で、パレスチナ外交においてもですね、中東からとても高い評価を受けていたと思います。中東のみなさんも親日の方が多かったと思います。そういった中で、こうしてUNRWAへの支援を即時停止する。そういった判断というのは、どこかで、アメリカ追従、一部の欧米の各国の追従になっているのではないかと、そういった安全保障政策をこういったところでも政府は使うのではないかと、そういう疑念さえ私たちは覚えています。
繰り返し言わせていただきます。イスラエル パレスチナの問題は、10月7日に始まったのではないです。長い間パレスチナの人びとが苦しんできました。もちろん、イスラエル側でも、平和活動をしている方々がいました。多くの方々が活動をしてきていた中で、なかなか解決しない問題として残ってきた中にいたんです。なので、10月7日を言い訳にこうした行動をくり返していること、これ以上許してはいけないと、ICJ命令や、国際法違反にも該当する可能性のあるUNRWAへの支援の停止というのは、本当に、即時、撤回していただきたいと、私たちは考えております。
こうした中で、NGO職員、私たちの同僚、今も現地に残っていて、現地の日本政府にも要請文を提出したりしています。もしよろしければ、私たち、日本国際ボランティアセンターのウェブサイトにも、声明文、掲載しておりますので、賛同をご検討いただけたらと思っています。
▶日本国際ボランティアセンター
https://www.ngo-jvc.net/
▶NGOによる外務省への要請文:日本政府によるUNRWAへの資金拠出一時停止の撤回を求めます
https://www.ngo-jvc.net/activity/advocacy/20240131_gazastatement.html
引き続きですね、日本政府には、即時停戦のために強く強く動いていただきたいと願っていますし、同僚たちが、そして仲間たちが、友人たちが、力が尽きることのないように、精一杯動いていきたいと思っています。
この戦争が国際人道法違反であることが明らかですけれども、この人道法違反を放っておいている国、…私たちも、その人道法違反をしていることになるのだと、そういった意識を持って、「世界はなぜ、停戦にしてくれないのに、それよりも、さらに、支援まで停止してしまうのか」と、パレスチナ・ガザの私たちの友人にもう顔向けができないような事態が続かないように、本当に力いっぱい、政府に訴えていきたいと思っています。
最後に…「国際社会は、人道法違反は認めない。絶対に、この戦争を止めなきゃいけない。そして私たちはガザのことは忘れていないんだよ」という意志を、パレスチナの友人・仲間たちにも届けながら、政府にも、国民の皆さんにも、表明し続けるアクションを継続していこうと思っています。
国家間の駆け引きではなくて、中東外交を進めてきた日本の役割に期待をしていきたいと思います。
引き続き、がんばってまいりましょう。ありがとうございました。
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