14項目=馬毛島基地建設工事によって、種子島の住民の生活が圧迫・破壊されている


 
(まず、お知らせです。)
7月29日(月)11:00〜
【どんたちの馬毛島を返してや 馬毛島基地反対住民訴訟】第2回口頭弁論
 
 裁判傍聴・ご支援のお願い
10時30分~ 入廷行動@鹿児島地方裁判所前
11時~ 第2回口頭弁論期日@鹿児島地方裁判所 202法廷
     弁護士が準備書面の概要を説明し、原告が意見陳述をします。
12時頃~ 報告集会@鹿児島県弁護士会館
      Zoomミーティング ID: 880 3369 4527 パスコード: 323135


 種子島沖の馬毛島基地建設着工から1年半が過ぎました。西之表市民の生活は一変しました。
「軍事費43兆円の枠外」で8800億円超の国家予算が計上され、来年には米軍によるFCLP(空母艦載機離着陸訓練)が計画されています。
馬毛島基地計画に反対を掲げて2期当選し、馬毛島に残る市有地は売らないと明言していた西之表市長が突然行った市有地売却と市道廃止処分について、昨年12月、原告団30名が住民訴訟を起こしました。その第2回口頭弁論期日がこのたび行われます。
「どんたちの馬毛島」には、土地はもちろんとして、「基地のない、静かで平和な馬毛島」という意味も込められています。今後、漁業者に加え、市民らによる差止裁判も検討しています。
 ぜひ裁判傍聴支援や応援メッセージをお願いいたします。

「裁判を支援する会」も鹿児島市内の平和団体などを中心として6月に結成されました。
 入会申し込みはコチラ↓
または下のチラシのQRコードからご入力ください。
【送金先】鹿児島銀行 本店 普通預金 3235521
「馬毛島基地反対裁判を支援する会」
個人1口1000円、団体1口5000円

【連絡先】支援する会 国民救援会鹿児島 099-298-5161/kyuenkaikaikagosima@yahoo.co.jp
原告団長    和田 香穂里 090-8017-6051/kaori.wada528@gmail.com
弁護団事務局長 塚本 和也  042-645-5151 /tsukamoto@8oji-godo.com
 
 
 
 
14項目=馬毛島基地建設工事によって、種子島の住民の生活が圧迫・破壊されている 
 

 
「工事関係者だけの話じゃないんです! 工事関係に人手が流れることによって、ドミノ倒し的に、種子島のさまざまな、産業や、経済が、逼迫、圧迫、破壊されている、その状況についてなんです。そしてね、どうせもう答えられないんでしょうから、いまこの場で、お願いだけしておきます。
 要請書の14件について、最後のところ、読みますね。〝地元住民の暮らしが破壊されている現状とその原因は、自衛隊馬毛島基地建設工事であることは明らかであり、自衛隊馬毛島基地建設工事を即刻中止して、前述の14点についての、政府および防衛省の見解や、不透明、不明確な点を、明らかにし、具体的な対応・対策を講じることを、強く求める〟!」

 6月27日、「島々から呼びかける 全国を戦場にさせない!東京行動」の政府交渉(与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島、奄美大島、種子島、大分、福岡、京都の方々が東京に集まり政府要請)で、和田香穂里さん(馬毛島基地反対住民訴訟原告団 団長・種子島在住)は怒りを爆発させた。種子島から3つの質問、そのうちの2つの質問と回答は以下の通りでした。

種子島からの質問1:4月末で、馬毛島種子島合わせて3440人の工事関係者が滞在し、最大6千人と言われている。それによって人口2万6千人ほどの島の生活が明らかに圧迫されている。水の供給、排水、ゴミ処理、電力消費などのインフラは島民の負担で整備・運用されてきたものであるが、住民票を移さず納税もしない工事関係者の流入により、これらが圧迫されていることについての見解をお答えください。

防衛省の「回答」:馬毛島の施設整備に際しましては、種子島に滞在する工事関係者が可能な限り少なくなるよう、馬毛島における仮設宿舎の建設を着実に進捗させております。また、馬毛島におきましては、水道などの必要なインフラについて、防衛省の工事において調達しております。さらには、廃棄物の減量のために、馬毛島島内に生ゴミ処理機、小型焼却炉、浄化槽、汚泥用の脱水装置や乾燥処理装置を設置するという取組も行っております。

種子島からの質問2:第一次産業をはじめとして、馬毛島関連の業務に多くの人材が流れていることによって、慢性的な人手不足に拍車がかかり、島内の様々な業種において劇的な人手不足を生んでおり、島外業者の流入もあって、地元の産業や経済が急速に破壊されていることについての見解をお答え下さい。

防衛省の「回答」:人手不足につきましては、自治体よりうかがっておりますが、工事受注者が、種子島島外においても、広く作業員を募っているものと承知しております。

 地元住民の生活、地元の産業や経済が破壊されている。その原因はすべて馬毛島基地建設工事にある。防衛省は、この、防衛省による〝加害〟の事実についての見解を求められている。しかし防衛省はそこにはまったく触れなかった。そして馬毛島内のインフラの整備だとか関係のない話をしている。(馬毛島の仮設宿舎建設を進めていると言っても、もう既に種子島には1800人の工事関係者が入っている。これまでの防衛省の説明では、最大時の6千人の内訳は種子島に2千人+馬毛島に4千人であり、種子島ではほぼマックスに近い状況に達している。)

和田さん:これ、答えになってると思いますか? 私の質問、〝私たち〟の質問に対して!

防衛省の「回答」:はい。えー、先程お答えさせていただいた通り、、、

和田さん:繰り返しはいいです。時間の無駄です。私たちね、時間も割いて、お金もかけて、遠くから来てるんですよ。電車で片道何十分で来られる距離じゃないんです。それなのに、〝繰り返しになりますが〟〝さきほどお答えしたとおり〟…そんな時間の無駄は要らないんです。まず、これが答えになっているかどうか。答えになっていると思いますか? 思うんだったら思う。思わないんだったら思わない、どちらかでお答え下さい。

防衛省の「回答」:たいへん申し訳ないんですが、あのう、さきほどお答え、、、

 
 種子島に対して、だけではない。「私たちの質問」と和田さんが言った通り、防衛省はこの日、与那国島の、石垣島の、沖縄島の、奄美大島の、大分の、福岡の、京都の質問にも訴えにも答えず、怒りや、悲鳴、苦しみにまったく向き合わず、憤りを素通りさせて会場から去っていった。これを「毎度のことだから」で済ませるわけにはいかない。


 以下、種子島からの要請書の全文です。種子島住民の生活が圧迫・破壊されている現状を示す8項目を含む14項目を、読んでください。 
 
 
2024年6月18日
総理大臣  岸田 文雄 殿
防衛大臣  木原 稔  殿
内閣官房長官  林 芳正  殿

馬毛島基地反対住民訴訟 原告団原告団長 和田 香穂里
            弁護団事務局長 塚本 和也 

要請書

 2015年の安保法制から2022年の「安保3文書」改定の流れの中で、日本は確実に「戦争をする国」へとその姿を変えている。敵基地攻撃能力としてのミサイル配備や弾薬庫の増設、新設、民間空港や港湾の特定利用など、全国的な戦争準備が進む中で、鹿児島県西之表市の馬毛島における自衛隊馬毛島基地建設はひとつの大きな要として、急ピッチで工事が進められている。この工事において、地元種子島の住民の暮らしは大きな影響を受け、次に述べるような様々な混乱や困難が生じているが、工事発注者である防衛省も、工事を請け負うJVも、地元自治体及び住民に負担を強いている状況である。
 戦争準備ではなく、外交で諸外国との平和な関係を構築することを要請するとともに、自衛隊馬毛島基地建設を即刻中止し、次の14点における防衛省の見解及び不明確不透明な点を明らかにし、具体的な対応対策を講じることを強く求める。
 
1. 4月末で馬毛島・種子島合わせて3440人の工事関係者が滞在し、最大6000人と言われている。それによって人口26000人ほどの島の生活が明らかに圧迫されている。水の供給、排水、ゴミ処理、電力消費などのインフラは、島民の負担で整備運営されてきたものであるが、住民票を移さず納税もしない工事関係者の流入により、これらが圧迫されていることについて。
 
2. 人口の急激な増加とそれに伴う車両の増加によって、事件事故の発生件数が増え、地元の治安が悪化し、住民の不安が増大していることについて。
 
3. 工事関係者の往来により、島民の重要な移動手段である高速船の予約が非常に取りにくくなっており、また高速船を利用する際の駐車場も常にそのスペースが減った状態であることについて。
 
4. 島内にコンテナハウスなどが立ち並び、その滞在者による消費活動により、スーパーなどでの商品の不足や、ゴミの増加などが、島民の日常生活に多大な影響を及ぼしていることについて。
 
5. 島内の賃貸物件の家賃が3倍~5倍と高騰し、家賃を払いきれない住民が退去を余儀なくされた上に次の住まいも見つからないという状況や、島への移住を諦める人や島を離れる人が増えていることについて。
 
6. ホテル・旅館・民宿などの宿泊施設の満室状態が続き、料金の値上げもあって、帰省客や観光客の来島が困難になっていることについて。
 
7. 漁業者の多くが海上タクシーに従事し、漁に出なくなっているため、地元産の魚介類の水揚げが激減して店頭にも並ばなくなっている。このことによって漁労文化衰退や、島民が慣れ親しんできた海産物を食するという食文化も失われつつあることについて。
 
8. 第一次産業をはじめとして、馬毛島関連の業務に多くの人材が流れていることによって、慢性的な人手不足に拍車がかかり、島内の様々な業種において危機的な人手不足を生んでおり、島外業者の流入もあって地元の産業や経済が急速に破壊されていることについて。
 
9. 先般、防衛省から発表されたマゲシカの頭数調査の結果、個体数が増えているとのことであるが、その調査方法にも、その要因についても、全く明らかにされていない。環境アセスメントの通りマゲシカの保護に適切に取り組むためには、第三者である研究者による調査が欠かせないことについて。
 
10. 2024年3月4日の参議院予算委員会における辻元清美議員の質問で、馬毛島基地整備や辺野古移設工事の費用が、いわゆる軍事費43兆円の枠外であることが明らかになっている。馬毛島基地整備の予算の流れは非常に不透明であることについて。
 
11. 防衛省による馬毛島の土地買収の経緯や、その価格の内訳などはいまだに明確にされておらず、違法開発された土地の購入や、馬毛島小中学校跡地の価格などの正当性は甚だ不透明であり、国民の血税の行方を明らかにする義務を政府が果たしていないことについて。
 
12. 現在種子島の一市二町に交付されている米軍再編交付金について、その経緯や根拠が不明確であることについて。
 
13. 馬毛島内の市道廃止処分が行われたが、馬毛島内には民有地や入会地が残っている。それにもかかわらず、環境アセスの対象外とされた葉山港の浚渫工事や外周道路工事の利益は工事関係者が独占しており、通行権が侵害されていることについて。
 
14. 昨年12月に提訴した馬毛島基地反対住民訴訟において、義務付けを求めている西之表市からの損害賠償の相手方である国に対し、訴訟告知がなされているが、補助参加して、審理に資する経過説明や証拠提出を行う予定はあるかについて。

 地元住民の暮らしが破壊されている現状とその原因は、自衛隊馬毛島基地建設工事であることは明らかである。繰り返しになるが、自衛隊馬毛島基地建設工事を即刻中止して、前述の14点についての政府及び防衛省の見解や不透明不明確な点を明らかにし、具体的な対応対策を講じることを強く求める。

以上



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