2024年6月の保良ゲート前

3棟目の弾薬庫なんか造らせてたまるか!
一刻も早く、宮古島からミサイル・弾薬の撤去を!そして、ミサイル基地の撤去を!


 
  2021年以降「台湾有事」が喧伝される中で、自衛隊の「南西シフト」のこともずいぶん報道されるようになってきました。問題は、それがどのように伝えられているのか。
 「南西シフト」を支持するメディアは、「理想を言うばかりで厳しい現実が見えていない」という〝反対派像〟を提示してきました。良識的な「本土」メデイアには、政府・軍拡勢力の行っている恐るべき「現実」を、自分たちの言葉で、覚悟を決めて批判してほしいと思います。
 2024年6月23日「慰霊の日」。玉城デニー知事は「平和宣言」で自衛隊の急激な配備拡張に対する危機感をあらわにし、多くの新聞の社説が自衛隊の「南西シフト」に言及しました。その部分を抜き出してみます。

◆玉城デニー知事「平和宣言」(6/23)
いわゆる安保3文書により、自衛隊の急激な配備拡張が進められており、悲惨な沖縄線の記憶と相まって、私たち沖縄県民は、強い不安を抱いています。
 
■琉球新報 社説(6/24)
玉城デニー知事が発した「平和宣言」は例年にもまして、急激な自衛隊増強を沖縄で進めている政府を厳しく批判した。沖縄が直面している危機感の表明であり、日本の防衛政策への警鐘である。/平和宣言で自衛隊に触れるのは異例である。/住民を動員して飛行場を急造し、陣地構築を進めた沖縄戦直前の沖縄の状況と、今日の自衛隊増強を重ねる県民もいよう。宣言は自衛隊増強に対する県民の不安を反映したものである。政府はそのことを忘れてはならない。/平和宣言は「今の沖縄の現状は、無念の思いを残して犠牲になられた御霊を慰めることになっているでしょうか」と問う。沖縄を「平和の島」とすることをうたった日本復帰時の政府声明を引用したのは、戦前を想起させる沖縄への自衛隊増強について、政府の姿勢を問うものだ。

■しんぶん赤旗 主張(6/22)
岸田文雄政権は今、沖縄を、米国の対中国戦略に基づく戦争の最前線に位置付け、自衛隊の増強を急ピッチで進めています。/沖縄戦を描いた「原点」とされる『沖縄戦記 鉄の暴風』(沖縄タイムス社、50年発行)…は今月、文庫本として出版されました。その「まえがき」は「七十九年前の地上戦で焦土と化した沖縄で今、再び戦争の準備が進んでいる。辺野古に(米軍)新基地の建設が進み、琉球弧の島々の自衛隊の拠点が新設され、強化され、攻撃を受けることを想定した避難訓練や疎開の計画まで持ち上がり、まるで戦前の新聞を読んでいるよう」だとし、「沖縄を二度と戦場にしない、という思い」を出版に込めたと述べています。
 
■東京新聞 社説(6/23)
あれから79年。沖縄には依然、多くの米軍基地が残り、情勢緊迫を理由に自衛隊も増強されています。再び戦場になるのでは…。県民の不安は募りますが、沖縄を再び戦場にしてはなりません。/さらに近年、台湾や沖縄県・尖閣諸島を巡る緊張を背景に「有事への備え」として米軍に加えて自衛隊も増強されています。米軍や自衛隊の基地が攻撃対象となり、再び戦場になるのでは、との懸念が県民の間で高まっています。
 
■朝日新聞 社説(6/23)※「南西シフト」について「直接」の言及はなし
体験を語り継ぐ活動をする人が減るなか、伝える手立てを考える必要がある。/宜野湾市出身の狩俣日姫さん(26)は議論のきっかけを作るファシリテーターとして各地の学校を回る。19日は母校の普天間高校で、全学年27教室とオンラインで結んで2時間の講義をした。/「今が1944年8月だったとします。疎開するか、島に残るか」。クイズ形式で話が進み、「疎開する」と答えた人は、8月22日に学童疎開船「対馬丸」が米潜水艦の攻撃で沈没したと聴いて、「そうだった」と気づく。/「米軍が上陸した読谷村に住んでいたらどこへ身を隠す?」。ガマと呼ばれる洞窟のうち、1千人入れるガマか140人のガマか。小さい方が安全と答える生徒も多いなか、そちらで「集団自決」が起き、大きい方に逃げた人の命は助かったと紹介され、教室が緊張感に包まれた。/何問か続くうち、民間人の犠牲者の多さを知る。/「再び戦場にしない」との願いを全国民が共有しなければならない。

■毎日新聞 社説(6/23)
中国の海洋進出を念頭に、防衛力の強化も進む。この数年で与那国島や石垣島など離島に陸上自衛隊の駐屯地が相次いで開設された。/抑止力強化のためとはいえ、過重な負担を押し付けているのが実態だ。有事の際、攻撃対象になるかもしれないとの不安を抱く住民も多い。/にもかかわらず、国は県と真摯に向き合おうとする姿勢を欠いている。/安全保障を理由に沖縄に犠牲を強いる現状を変えなければ、国と県の溝は深まるばかりだ。上から押し付ける姿勢を改め、誠実な対話に取り組まなければならない。

■神戸新聞 社説(6/24)
むしろ近年は台湾情勢などを背景に、自衛隊が九州・沖縄の防衛力を強化する「南西シフト」を推進し、米軍とも連携する。陸自は与那国島や宮古島、石垣島などに駐屯地を設け、那覇を拠点とする第15旅団の格上げも検討する。/南西シフトに伴い、うるま市のゴルフ場跡地に計画された陸自の訓練場新設は、4月に計画断念に追い込まれた。住民や玉城デニー知事が反対、県議会も白紙撤回を求める意見書を全会一致で可決したためだ。/地元が懸念するのは、防衛力増強で「攻撃対象になる」「再び戦場になる」危険性が高まることである。悲惨な地上戦が語り継がれる沖縄で不安が広がるのは理解できる。/そうした中、エマニュエル駐日大使が5月に与那国島と石垣島を海兵隊の輸送機で訪れた。米軍と自衛隊の連携を誇示し、中国をけん制する狙いだが、玉城知事は「緊張感をもたらす」とし、県が自粛を求めた米軍機の民間空港使用を強行した点に遺憾の意を表した。民意を無視した訪問と言わざるを得ない。/武力で平和は守れないと、沖縄の人々は身をもって体験している。万一、攻撃が始まれば住民が避難するのは容易ではない。南西シフトを進める前に、紛争を起こさない外交の積み重ねが何より重要だ。

■北海道新聞 社説(6/23)
台湾有事を想定した沖縄での自衛隊の増強は米軍との一体化が一層進む。/県民は沖縄が再び戦火に包まれないか不安を募らせている。/地域の声を踏みにじり、沖縄にばかり過度な負担を掛けるのは理不尽極まりない。/今国会では、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」創設の改正法が成立した。日米が進める「自衛隊と米軍の作戦・能力の継ぎ目ない統合」の前提となる。/自衛隊が米国の戦闘に巻き込まれる可能性が高まり、極めて危うい態勢だ。日本は平和憲法に基づく専守防衛の原則があることを忘れてはならない。/政府が有事を念頭に整備する「特定利用空港・港湾」の選定も進む。振興策を振りかざし、防衛力強化を推し進めれば地域の分断を招きかねない。リスクも含め、情報を開示すべきだ。/来年は戦後80年である。岸田文雄首相は「沖縄に寄り添う」と繰り返しながら中身が全く伴わない。過酷な歴史を踏まえ、県と対話しなければならない。

■西日本新聞 社説(6/23)
沖縄を二度と戦場にしてはならない。歴史を胸に、誓いを新たにする日にしたい。/いま沖縄を含む南西諸島ではさまざまな防衛施設が整備されている。海洋進出を活発化させる中国を背景に、政府は台湾有事への備えを急ぐ。/自衛隊の駐屯地を相次いで開設し、ミサイル部隊を配備した。米軍とは施設の共同使用や、沖縄周辺での共同演習が常態化している。/防衛強化は住民に身近な所にも及ぶ。政府は特定利用空港・港湾として、九州・沖縄を中心とした7道県の16カ所を選んだ。日頃から、戦闘機や艦船が訓練などで円滑に使えるようにするためだ。/沖縄県では、国管理の那覇空港と石垣市管理の石垣港が指定された。県管理の施設は「政府の説明が不十分」と、県が同意しなかったため見送られた。政府の進め方は一方的ではなかったか。/弾道ミサイル攻撃や上陸侵攻を想定し、沖縄県・先島諸島の5市町村でシェルターの設置計画も進む。/住民にもたらされるのは安心ばかりではない。不安や懸念も広がる。/軍事拠点化が進展すれば、戦闘に巻き込まれる危険性が高くなることを沖縄の人たちは体験で知っている。ひとたび有事になれば、軍事施設が真っ先に攻撃対象になる。/不測の事態に備えることは大事だが、政府は防衛力強化一辺倒になってはならない。不測の事態を起こさない外交が必要だ。中国との対話はもちろん、対立する米国と中国の間を取り持つ役割を発揮しなければならない。/79年前、旧日本軍は本土決戦に向け、沖縄を「捨て石」にした。戦後も沖縄の民意に寄り添わない政府への不信は根強い。/沖縄の声に耳を傾けることを怠ってはならない。本土に住む私たちも心がけたい。
 
■中國新聞 社説(6/23)
台湾などで有事があれば、またも沖縄が最前線になりかねない。実際に先島諸島ではシェルター整備や、住民を九州各県と山口県に避難させる計画が検討されている。身近でリアルな問題と捉えたい。

■日本経済新聞 社説(6/23)
保守回帰の動きは県民が中国の脅威を実感していることの表れでもあろう。それなのに自衛隊が平時から使える空港や港湾の第1弾の指定から南西諸島の与那国空港や新石垣港は外れた。管理する県が難色を示したためで、これではいざというときの避難に支障を来しかねない。/来年は戦後80年である。政府と沖縄県は連携して現実的な対応を進める環境を生み出し、節目の年を迎えたい。

■読売新聞 社説(6/24)
ただ、平和を誓うだけでは日本の安全は守れなくなっている。/尖閣諸島周辺の接続水域では昨年、中国海警局の船が過去最大となる352日間確認された。このうち領海侵入も42日間に上った。海警船をこの海域に常駐させ、尖閣の実効支配化を図ろうとする中国の意図は明白だ。/政府は近年、宮古島や石垣島などに陸上自衛隊の地対艦、地対空のミサイル部隊などを配備してきた。安全保障上の空白地帯と言われてきた南西諸島で、防衛力を高めることは重要だ。/ところが沖縄県の玉城デニー知事は「自衛隊が基地を造ることで攻撃目標になってしまう。非常に危ない」と反発している。/防衛体制がない方が平和を守れると、なぜ、また誰が、保障できるのか。ウクライナで起きている現実は、十分な抑止力を持たなければ、いとも簡単に人命や領土を奪われてしまうことを証明しているではないか。

■世界日報 社説(6/24)※直接「南西シフト」についての言及はなし
こうした玉城氏を中心とした革新系「オール沖縄」の被害者史観に根差した価値観は、現在の厳しい安全保障環境を考えれば、机上の空論でしかない。/沖縄県議選では、玉城氏を支える革新系県政与党が大敗を喫し、過半数を割った。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対し続け、現実から目を背けるやり方に県民がノーを突き付けた。玉城氏はこの民意に耳を傾けるべきだ。



▼保良での6月の軍事訓練予定▼
屋外:9(日)、10(月)、11(火)、12(水)、13(木)、14(金)、15(土)、16(日)、17(月)、18(火)、20(木)、21(金)、24(土)の13日間。10~18日の9日間は「夜間使用」あり・「宿泊」あり20日は「約100人以上」
屋内射撃場:5(水)、6(木)、9(日)、20(木)、21(金)、24(月)、25(火)、27(木)、28(金)の9日間。9日以外は「実包等使用」

▼6月の工事状況▼
●3棟目弾薬庫予定地:パイル45本の打設が終了し、クレーン等が撤去された。
●隊舎建設現場(図面では「廠舎」):地下1階・地上2階にしては大きく見える。
●消防車の車庫建設(ゲート近く):ぼた山の擁壁工事ほぼ終了
●北ゲート付近:ユンボが整地作業

▼この間の宮古島・保良と、全国の南西シフト関連の動き▼
□6月 2日(日) 日米防衛相会談(シンガポールで)、「南西地域における日米の共同プレゼンス着実に拡大」「自由で開かれた…地域のパートナーとの協力強化」など

□6月 3日(月) 米軍の「大将」を自衛隊との統合任務にあたる責任者として日本に配置する案を、オースティン国防長官が言明。シンガポールで。

□6月 3日 有事の「住民避難」で、政府は沖縄県の「先島諸島5市町村」の受け入れ先候補を九州地方知事会に示した。(石垣市→山口・福岡・大分各県/竹富町→長崎県/与那国町→佐賀県/宮古島市→福岡・熊本・宮崎・鹿児島各県/多良間村→熊本県八代市)

□6月 4日(火) 竹富町長、波照間空港の滑走路延長を要望。自民党の住民避難プロジェクトチームの会合で

6月 4日他 自衛隊は軍用車両の保良集落内走行を、まだやめない。

□6月4~12日 西表島で自衛隊(石垣島の)が訓練

□6月 5日頃 陸自第15旅団がホームページに牛島司令官の辞世の句を掲載していることが話題に

□6月 7~18日 米国主催の多国間演習「ヴァリアント・シールド2024」(2年に1度のインド太平洋地域での大規模演習)に自衛隊が初めて参加。(日本では、奄美・国分・新田原・相浦・岩国・厚木・横須賀・横田・松島・八戸・襟裳・北海道大演習場・硫黄島で実施)

□6月 9日(日) 陸自「石垣駐屯地」が「公務」で「訓練の一環」としてハーリーに出場。石垣市爬龍船競漕大会、西表島・白浜海神祭、伊原間・フナクヤハーリーに4チーム。

□6月 9日 「DICAS(Defense Industrial Cooperation,Acquisition and Sustainment:日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議)」の初会合、防衛省で。

□6月10日(月) 米インド太平洋軍パパロ司令官、中国が台湾に侵攻した場合の初期対応について「多数の機密装備を使い、台湾海峡を無人兵器による地獄絵図にする」と述べた。

□6月11日(火) 屋久島に米軍オスプレイ墜落事故の慰霊碑計画。「米側の意向」と防衛局

□6月12日(水) 佐賀での陸自新基地建設、着工から1年。「全容が見えてきた」

□6月12日 新レーダー「OTHレーダー(Over The Horizon:水平線の向こうまで監視)」の試作装置の設計について、防衛装備庁が2024年度中に着手する方針が明らかに。2027年度にも与那国島で運用試験を開始する計画。

□6月14日(金)
 与那国町議会、「特定利用空港・港湾」の指定を国に求める意見書を可決

□6月14日 馬毛島周辺海域の広範囲で濁り。防衛省「工事範囲外から濁水が流れ出ている可能性がある。対策を検討する」…市と防衛省との協議(8ヶ月ぶり)で。

□6月16日(日) 沖縄県議会議員選挙。野党・中立が28議席で「安定多数」獲得(4議席増)、与党は20議席。投票率は過去最低の45.26%

□6月19日(水) 改定地方自治法が成立(非常時における国の自治体に対する指示権拡大)、9月にも施行へ

□6月19日 陸自木更津駐屯地へのオスプレイ暫定配備(全17機)完了

□6月19日 鹿児島県さつま町への自衛隊弾薬庫計画、防衛省は中岳で適地調査に着手

□6月20日(木) 陸自「奄美警備隊」、徳之島で初の公道での歩行訓練

□6月23日(日) 「慰霊の日」

□6月23~29日 海自、大型無人機「シーガーディアン(MQ9B、八戸を拠点に試験運用中)」を鹿屋基地に飛来させ、「東シナ海」での警戒監視に向け試験運用。

□6月25日(火) 昨年12月24日、沖縄島で米兵が16歳の少女を車で自宅に連行し合意なく性的暴行を加えていたこと、外務省や県警が沖縄県に伝えていなかったことが判明。

□6月25日報道 自衛隊が参加した多国間共同訓練の増加。2011年度8回→2016年度30回→2022年度46回。東京新聞

6月26日(水) 宮古空港、下地島空港、平良港の「特定利用空港・港湾」指定に向け、政府が引き続き検討を進めていることが判明。内閣官房の職員が宮古島市役所で説明

□6月27日(木) 北大東島への空自・移動式警戒管制レーダー配備を決定、防衛省が村に報告。基地建設の着手は2025年4~5月の予定だという。

□6月27日 「島々から呼びかける全国を戦場にさせない!東京行動」…与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島(うるま)、奄美大島、種子島(馬毛島)、大分(敷戸)、福岡(築城)、京都(祝園)から報告、政府交渉など。

□6月28日(金) 昨年から今年にかけて起こった、さらに3件の沖縄県内での米軍関係者による女性への性的暴行事件が明らかに。林官房長官の会見で


 埼玉県在住のFujikoさん(うたうたい・島じまスタンディング)は保良ゲート前行動のSNSグループに参加して、ほぼ毎日、「保良だより(遠隔リポート)」を、保良の方々の許可を得てfacebookで発表しています。

▶Fujikoさんfacebook

  ↓以下、「保良だより」を毎月一回の〝島じまゆんたく〟でスライド上映するためにまとめた画像です。

 2024年6月の「保良だより」1254〜1278より。原作はFujikoさん。写真は保良ゲート前のみなさまから。編集は石井杉戸。
 



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