《呼びかけ》宝の島と平和を未来へ!~「馬毛島基地」着工から2年 1.12新宿アクション

 

宝の島と平和を未来へ!
~「馬毛島基地」着工から2年 1.12新宿アクション


 
2025年1月12日(日) 17:30〜18:30
JR新宿駅 東南口
 
〈呼びかけ〉
島じまスタンディング ishiisugito@gmail.com(石井)
STOP大軍拡アクション 090-6185-4407(杉原)



 
種子島の西に浮かぶ馬毛島。弥生時代から、人が住んだり、住まなかったりで、最後に無人島になったのは、1980年のことだった。どちらにしてもずっと、種子島の人たちにとっては「心のふるさと」であり、「はらからの島(きょうだいじま)」だ。漁師たちにとっては最高の漁場で、「宝の島」と呼ばれてきた。かつてはトビウオ(トッピー)漁のために集団で季節移住するという、独特の漁労文化が発達した。馬毛島の海岸のほとんどは自然海岸として残され、浅瀬に広がる藻場は、様々な魚介類の産卵場であり、稚魚達のゆりかごになっている。西海岸の砂浜はウミガメの産卵場だ。また、この海域は熱帯性サンゴの北限域であり、美しいサンゴの海はダイバーたちの隠れた名所でもある。種子島の漁民たちは、この海を育む馬毛島の森林を「魚付森」と呼び、代々大切に守ってきた。馬毛島は、高い山がないのに真水が流れる不思議な島だ。湿地や河川が数多くあり、多様な水生動植物が生息する。巨大なガジュマルが連なる緑のトンネルは、馬毛島体験学習で子どもたちに人気の場所だ。ソテツの自生群落と海岸のあいだでは、オカヤドカリたちが行き来している。岳の腰のまわりに広がる大草原に、馬毛島だけに自生するホソバノアリノトウグサが風に揺れている。照葉樹林、湿地、草原、海岸に、様々な野鳥や蝶が訪れる。マゲシカはおよそ1300年にわたって、この島の独特の自然の中で「種の保存」を受け継いできた。馬毛島は、いきものたちの楽園だ。


 
1月12日、自衛隊「馬毛島基地(仮称)」本体工事着工から2年。

木々がなぎ倒され、緑が剥ぎ取られた。岳之腰は削られ、むき出しになった地表では砂嵐が起こっている。馬毛島の森林が育んできた藻場やサンゴの上に、馬毛島の土砂が降り積もっている。馬毛島の東海岸は漁業制限区域とされ、自然海岸であった場所に3本の仮設桟橋が造られた。ヨコセ、オオカワジり、竹浦、モハミセ、ヒトゼ…と名付けられた、モハミ(ブダイ)やアサヒガニやナガラメ(トコブシ)の最高の漁場であった浦々は漁業権消滅区域となり、潰され、軍港化される計画だ。ヨコセのあたりでは、係留施設の工事が始まっている。マゲシカは飢え、やせ細っている。工事車両に轢かれることも多いという。防衛省は千頭以上いると言うが、いったい何十頭のマゲシカが生き延びているのだろうか。いきものたちは、どうしているのだろうか。

馬毛島基地建設工事の労働環境は劣悪だという。工事関連の事故も、これまでに約10件が報告されている。昨年10月には、スリランカ国籍の男性が油圧ショベル機ごと穴に転落し死亡するという、痛ましい事故が起こってしまった。馬毛島から10Km、対岸の種子島・西之表港は、工事の台船で埋め尽くされた。西之表市内にはコンテナハウスが立ち並んでいる。工事関係者の数は、昨年9月で4千人を超えた。そのうち約2千人が種子島に宿泊している。家賃の高騰、宿泊施設の不足や料金の値上げ、事件事故の多発、生活に必要なインフラの圧迫、第一次産業をはじめ様々な業種における深刻な人手不足など、馬毛島基地建設工事によって種子島の経済や暮らしが破壊されている。種子島で獲れた魚を種子島の人びとが食べる、そういう暮らしが、失われつつある。

馬毛島基地建設のために、これまで8821億円(契約ベース)が使われた。これに2024年度補正予算に計上された945億円と2025年度予算案の473億円を加えると、1兆239億円になる。今後どこまでふくれあがることになるのか、たぶん誰も知らない。工期は3年延長された。基地の完成は2030年3月で、滑走路は2027年に先行して完成させ2028年1月以降にFCLP(米空母艦載機離着陸訓練)開始の見込みだという、いまのところは。

次の世代に、何を手渡すつもりなのか。いまの馬毛島の姿が、私たちに問いかける。造られようとしているのは、昼夜を問わず爆音をまき散らす米軍機と自衛隊機のFCLPのほか島嶼戦争のためのあらゆる訓練が行われる陸海空自衛隊と米軍の演習場であり、「安保3文書」が掲げる「継戦(持久戦)能力」を支える、滑走路と軍港と弾薬庫を備えた事前集積・物資の輸送・部隊の機動展開の拠点となる巨大軍事要塞だ。私たちは、与那国島、奄美大島、宮古島、石垣島への自衛隊基地建設を許し、沖縄島を含む島じまへの地対艦ミサイル配備を許し、琉球弧全域の日米共同軍事訓練場化を許してきた。そして、馬毛島を殺し、琉球弧の島じまを「戦域」と設定し奪い取ることを許し、軍事緊張(抑止)と戦争(対処)を基調とする東アジアを、次の世代に引き渡すのだろうか。

馬毛島を切り捨てた上で、私たちは平和を構想することができるだろうか。島じまが、宝の島じまであり続けること。それこそが、私たちの平和のための条件ではないだろうか。もうずいぶん壊されてしまった馬毛島を、元の姿に戻すことはできないだろう。それでも、この残酷な工事をやめさせて、長い時間をかけて、少しずつ豊かな馬毛島を取り戻していく。馬毛島再生へのビジョンを、共生と平和へのビジョンとして、未来へつなげること。昨年12月の「与那国島を奪わないための新宿アクション」に続く、奪わないためのアクションになります。ぜひご参加ください。
 
 
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グラウンドルール
私たちは、参加者の皆さんといっしょに、差別や攻撃的言動のないオープンな場を作るように務めます。
【基本】
あらゆるハラスメントをしない・人権侵害を行わない、正当化しない
【勧誘】
無理に店に誘ったり、団体に勧誘しない。
【差別に加担しない】
・ 性別や性別のあり方 ・性的、恋愛的指向 ・性表現や性的特徴 ・人種や民族 ・国籍 ・出自やカースト ・障がいや病気 ・学歴 ・身体的特徴 ・宗教  ・言語 ・年齢 ・職業 ・能力 ・階級や収入 などについて、一部の人のあり方が〈普通〉〈自然〉、あるいは〈より尊敬に値する〉〈奨励・優遇される べき〉とみなす表現は避ける。
【撮影について】
行動を発信するため、主催者(や委託撮影者)が写真や動画を撮影します。撮影されたくない方はマスクやサングラスなどの対策をお願いします。
撮影をする方は、確認をとるなどの配慮をお願いします。
【感染対策】
マスクの着用は強要しませんが、感染症を他人に感染させるリスクが高い期間は適切な判断をお願いします。
 
 
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 同日、種子島!
 


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2021年5月18日の馬毛島
 
着工前の、貴重なドローン撮影による記録です!
写真提供:沖縄ドローンプロジェクト
 

 

 

 



 
 
たくさんのマゲシカがいます。

 

 
葉山港


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