《写真報告と要請文》7.18 自衛隊・先遣隊を馬毛島に入れるな!基地建設をやめろ! 防衛省前いきものデモ

 
長い長い要請文の一部を読み上げました。


馬毛島(まげしま)で自衛隊が活動を始めようとしています。

防衛省は、滑走路の完成は2027年12月、基地全体の完成は2030年になる見込みとしていますが、早くも先遣隊(せんけんたい)を入れて、軍事利用を既成事実化しようとしています。

航空自衛隊「馬毛島先遣隊」のうち約60人が、今年7月から種子島の中種子町(なかたねちょう)の自衛隊宿舎に入居していて、7月22日から馬毛島へ通い始める予定です。

【自衛隊・先遣隊を馬毛島に入れるな!基地建設をやめろ! 防衛省前いきものデモ】

7月18日(金) 防衛省前。
呼びかけ:島じまスタンディング、戦後80年・路上大学、FREE THE RYUKYU ISLANDS、STOP大軍拡アクション
▶呼びかけ文

参加約40人で抗議の声を上げ、要請文を防衛省に手渡しました。













馬毛島基地(仮称)建設計画に関する要請

防衛大臣 中谷 元 様
防衛省にお勤めの皆さま


「住民の理解」という言葉を、防衛省は好んで使用します。自衛隊の基地建設や増強を行う際に、「住民のご理解を得ながら…」と繰り返します。しかしそれは常に、防衛省が一方的に住民に言うことを聞かせる、ということでしかありません。住民の意見を取り入れ計画を見直すとか、防衛省の言い分をふまえた上での住民の反論を受け入れるとか、そういう姿勢はありません。「住民の理解」を繰り返すばかりで、「住民を理解」しようとはしません。防衛省は、住民の主体性を認めていません。

「環境への配慮」を、防衛省は掲げています。しかし馬毛島の基地建設に際して、環境を守るためにほんの少しでも基地計画の一部を見直すとか、馬毛島を「心のふるさと」とする住民の意見を取り入れるとか、御用学者以外の専門家の警鐘に耳を傾けるとか、そういう姿勢はありませんでした。防衛省による馬毛島の環境影響評価(アセスメント)は、その制度自体を破壊するのが目的でもあったかのような、結論ありきのひどいものでした。「馬毛島に基地ができれば、我が国の平和と安全に非常に大きな意義があります(防衛省ホームページなど)」と一方的な主張を繰り返すばかりで、防衛省は「馬毛島を理解」しようとはしません。

企業による違法開発の費用を上乗せして馬毛島を買収するなど、およそ国の行政機関とは思えないやり方で、防衛省は馬毛島基地計画を進めてきました。現在、種子島の住民らが、馬毛島基地建設の差し止めを求めるふたつの裁判を闘っています。防衛省は、自分たちが踏みにじっている住民に、向き合ってください。

「一層厳しさを増す安全保障環境(2010年、2013年防衛大綱)」「これまでに直面したことのない安全保障環境(2018年防衛大綱)」「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境(2022年国家安全保障戦略)」と、防衛省は繰り返し言ってきました。しかしなぜか、それを理由に一方的に軍備増強の必要性を主張するばかりで、日本がやってきたこと、太平洋の彼方から米軍が進出して日本と共にやってきたこと、それが「安全保障環境」に与えた影響を考慮する姿勢はありません。日本政府は琉球弧の島じまを奪い取って「最前線」に仕立て上げ、そこで戦争を構えることで、軍事緊張を高めています。

琉球弧の島じまの住民には、軍事緊張を受け入れさせ、島じまが日米の軍事作戦の領域に設定されることを受け入れさせ、生活の場が戦場になるかもしれないことを受け入れさせ、いざとなったら島を棄てることを受け入れさせ…

それを受け入れることが「住民の理解」だと、それを受け入れろと、防衛省は言っているのです。

そして馬毛島のいきものたちには、死と、生息環境の消滅と、絶滅を受け入れさせようとしています。

そのことを、私たちは、防衛省にやめさせたいと思います。他者の主体性を認めない者が、他者とともに平和に生きる未来を、つくれるはずがありません。

馬毛島への航空自衛隊の先遣隊上陸の中止と、馬毛島基地建設の中止と、以下に示す馬毛島のいきものたちの現況調査と生息環境の復元を求めます。


2025年7月18日
島じまスタンディング
戦後80年・路上大学
FREE THE RYUKYU ISLANDS
STOP大軍拡アクション
防衛省前いきものデモ参加者一同

馬毛島のいきものたち(「馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価準備書」「資料編」…2022年4月 熊本防衛支局…をもとに作成)
https://www.mod.go.jp/rdb/kyushu/contract/construction/kumamoto/jyunbisyo/index.html

【陸域動物】
哺乳類:〈モグラ目トガリネズミ科〉ジネズミ、〈ヒナコウモリ科〉ヒナコウモリ、〈ネズミ科〉ネズミ、〈シカ科〉シカ(以上 哺乳類4種)

鳥類:〈キジ科〉コジュケイ、ヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、〈ハト科〉キジバト、〈ウ科〉カワウ、ウミウ、ウ属、〈サギ科〉アカガシラサギ、アマサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、クロサギ、〈クイナ科〉ヒクイナ、オオバン、〈カッコウ科〉ホトトギス、カッコウ、〈アマツバメ科〉アマツバメ、〈チドリ科〉ムナグロ、コチドリ、シロチドリ、メダイチドリ、オオメダイチドリ、〈セイタカシギ科〉セイタカシギ、〈シギ科〉ヤマシギ、チュウシャクシギ、アカアシシギ、クサシギ、タカブシギ、キアシシギ、イソシギ、キョウジョシギ、ハマシギ、〈カモメ科〉ベニアジサシ、クロハラアジサシ、〈ミサゴ科〉ミサゴ、〈タカ科〉ハチクマ、トビ、サシバ、ノスリ、〈カワセミ科〉カワセミ、〈ブッポウソウ科〉ブッポウソウ、〈ハヤブサ科〉チョウゲンボウ、ハヤブサ、〈サンショウクイ科〉サンショウクイ、〈カササギヒタキ科〉サンコウチョウ、〈モズ科〉チゴモズ、モズ、アカモズ、シマアカモズ、〈カラス科〉ハシブトガラス、〈シジュウカラ科〉ヤマガラ、シジュウカラ、〈ヒバリ科〉ヒバリ、〈ツバメ科〉ショウドウツバメ、ツバメ、コシアカツバメ、〈ヒヨドリ科〉ヒヨドリ、〈ウグイス科〉ウグイス、ヤブサメ、〈ムシクイ科〉コムシクイ、オオムシクイ、ムシクイ属、〈メジロ科〉メジロ、〈センニュウ科〉エゾセンニュウ、〈セッカ科〉セッカ、〈ヒタキ科〉シロハラ、ルリビタキ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、エゾビタキ、キビタキ、〈セキレイ科〉ツメナガセキレイ、キセキレイ、ハクセキレイ、マミジロタヒバリ、タヒバリ、〈アトリ科〉アトリ、カワラヒワ、〈ホオジロ科〉ホオジロ、アオジ(以上 鳥類83+2種) 

両生類:〈アマガエル科〉ニホンアマガエル、〈アカガエル科〉ニホンアカガエル(以上 両生類2種)

爬虫類:〈イシガメ科〉ニホンイシガメ、〈ヤモリ科〉ヤクヤモリ、ヤモリ属、〈トカゲ科〉ニホントカゲ、〈ナミヘビ科〉アオダイショウ、シロマダラ、〈クサリヘビ科〉ニホンマムシ(以上 爬虫類7種)

昆虫類クモ綱:〈トタテグモ科〉キシノウエトタテグモ、〈ヒメグモ科〉アシブトヒメグモ、シロカネイソウロウグモ、オオツリガネヒメグモ、オオヒメグモ、ハンゲツオスナキグモ、〈サラグモ科〉ハラジロムナキグモ、〈アシナガグモ科〉チュウガタシロカネグモ、ジョロウグモ、トガリアシナガグモ、アシナガグモ、Tetragnatha属、〈コガネグモ科〉オニグモ、Araneus属、コガネグモ、ナガコガネグモ、Argiope属、ミナミノシマゴミグモ、Cyclosa属、スズミグモ、コガネグモダマシ、ドヨウオニグモ、ワキグロサツマノミダマシ、ヘリジロオニグモ、ホシスジオニグモ、〈コモリグモ科〉カガリビコモリグモ、ハラクロコモリグモ、ウヅキコモリグモ、イサゴコモリグモ、キクヅキコモリグモ、スナハラコモリグモ、Pardosa属、クラークコモリグモ、Pirata属、ヒノマルコモリグモ、コモリグモ科、〈キシダグモ科〉キシダグモ科、〈ササグモ科〉ササグモ、〈タナグモ科〉タナグモ科、〈ナミハグモ科〉Cybaeus属、〈フクログモ科〉アシナガコマチグモ、ヤサコマチグモ、フクログモ科、〈ワシグモ科〉メキリグモ、〈エビグモ科〉アサヒエビグモ、〈カニグモ科〉ガザミグモ、アズチグモ、ヤミイロカニグモ、アズマカニグモ、Xysticus属、〈ハエトリグモ科〉スナハマハエトリ、ネコハエトリ、イソハエトリ、アダンソンハエトリ、ヤハズハエトリ、アシブトハエトリ、カラスハエトリ、ハエトリグモ科(以上 昆虫類クモ綱60種)

昆虫類軟甲綱:〈トビムシ目〉トビムシ目(以上 昆虫類軟甲綱1種)

昆虫類昆虫綱:〈イシノミ科〉Pedetontinus属、イシノミ科、〈シミ科〉セイヨウシミ、シミ目、〈イトトンボ科〉コフキヒメイトトンボ、リュウキュウベニイトトンボ、アジアイトトンボ、アオモンイトトンボ、ムスジイトトンボ…(以下えんえんと続く)

コメント