2026年8月29日、STOP大軍拡アクションと島じまスタンディングの共催で、「軍事演習のヤバさを考える会」を開催いたしました。
スタッフをふくめ約50人の参加でした。みなさまありがとうございました。
島じまスタンディング(石井)からは、「軍事演習のヤバさについて」という報告をおこないました。以下、報告の内容と資料をまとめました。時間の関係で省略したところなども付け加えたので長くなっていますが、ぜひご一読ください。
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軍事演習のヤバさについて、きょうはまず、この写真からはじめたいと思います。
2016年11月に沖縄県うるま市の米軍基地「キャンプ・コートニー」でおこなわれた日米共同指揮所演習「ヤマサクラ」の写真です。在日海兵隊のSNSにアップされ、すぐに削除されたというものです。多くの人が、この写真に衝撃を受けました。
ちなみにきょう(8月29日)は、日米豪の共同指揮所訓練「ヤマサクラ91」がはじまる予定の日です。
2016年という年は、3月に「与那国駐屯地」が開設され、6月に奄美大島の南北2か所で自衛隊基地建設工事が着工された年でした。この動きに注目していた人は、この写真を見て、琉球弧の島じまで進められる軍事化・「南西シフト」の本質がどういうものなのか、一目で分かったと思います。
それから、「奄美駐屯地」「瀬戸内分屯地」(奄美大島)、「宮古島駐屯地」「保良(ぼら)訓練場」(宮古島)、「石垣駐屯地」(石垣島)と、次々と陸上自衛隊の基地が造られました、
けれども、それで終わりではありませんでした。
そこからさらに島全体へと、そしてまわりの島じまを、軍事作戦遂行のために「最適化」していく、奪い取ってつくり変えていく、そういうことがいまおこなわれています。
それを押し進める大きな力となっているのが、軍事演習だと思っています。
昨年(2025年)10月の日米「防衛相」会談で、小泉/ヘグセスは「より高度かつ実践的な共同訓練」の「特に南西地域での拡充」について「同盟の最優先事項の一つ」として取り組むことを確認しました。これはいまにはじまったことではなく、くり返し日米の間で確認されてきたことです。
琉球弧の島じまだけではなく、フィリピンや、ハワイや、グアムなど…、環太平洋地域にあるたくさんの島じまが、軍事演習によって奪われ、そして軍事演習によってこの広大な地域の軍事態勢が更新されている、と思います。
いま、「戦争反対!」と言う前に「軍事演習反対!」と、
「島じまを戦場にさせない・しない!」と言う前に「島じまを軍事演習場にさせない・しない!」と、東京から声をあげなければヤバいのではないかと思い、きょうの会を企画しました。
わたしのほうからは、軍事演習のヤバさをめぐるこの七つの項目について、断片的にお話していきたいと思います。
2021年。コロナ渦のさなかでしたが、この年、ほかにどんなことが起こったか、思い出してみましょう。
だれもが「台湾有事」と言いはじめた、そういう年でした。
直接的には、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官(当時)の「6年以内」発言から火がつきました。その後米軍トップのミリー統合参謀本部議長(当時)が否定したが日本ではあまり報道されず、12月には安倍元首相による「台湾有事は日本有事」発言がありました。
その後、それまでほとんど報道されてこなかった「南西シフト」が、「台湾有事に備える南西シフト」というふうに報道されるようになりました。そのようなものとして「お披露目」されたわけです。
そして2022年12月、日本の「防衛政策」を「抜本的」に転換するんだということで、「安保3文書」が閣議決定されることになります。全国にたくさんの弾薬庫を新設し、大量のミサイルを保管し、輸送力を強化するなど、琉球弧の島じまを「最前線」とする戦争を「持久」しておこなえるようにするための「継戦能力」の強化を掲げる「5年で43兆円」の大軍拡計画が、あっというまに決定されました。一方アメリカでは、
2021年1月1日、米議会で2021年度の「国防権限法」が成立。その目玉として、「PDI(太平洋抑止イニシアチブ)」というものが創設されることになりました。これからはもっとインド太平洋地域の軍備を強化する、そのために特別な基金の制度を設ける、インド太平洋軍は米議会に具体的な要望を出していく、というようなことが決められました。
11月29日、米国防総省は「GPR(世界的な戦力態勢の見直し)」が完了したと発表。インド太平洋地域が「最重要」であり、中国との「競争」に備えるんだ、という方針が示されました。
つまり、アメリカは軍事態勢の軸足をインド太平洋地域に移し、本格的に対中国「競争」態勢へとシフトした。日本は琉球弧を最前線に仕立て上げる「南西シフト」を次の段階へと一気に跳躍させた。2021年はそういうはじまりの年だったと言えるのではないでしょうか。
しかし何も起こっていないところでこのような変革を成し遂げることはできません。
2021年、「中国軍機が台湾防空識別圏に侵入」「過去最多」「記録的な数の」…こういったニュースが目立つようになりました。実際、2020年の2倍以上に増えたと言われています。
(報道の多くは、台湾国防部の発表をベースにしています。台湾の防空識別圏の識別圏の北東部は中国の大陸上空に設定されていますが、発表されているのは主に南西部への侵入だと思います。)
(表を拡大してご覧ください)※ダウンロードできます
赤の「中国軍機の台湾防空識別圏侵入」などに対し、濃い緑は月一回のペースで行われた米軍艦による「台湾海峡通過」(9月には英軍艦も「通過」)、黒は東シナ海や南シナ海、沖縄周辺などで行われた自衛隊の訓練や「日米共同訓練」「多国間訓練」です。
(共同訓練・多国間訓練は「防衛白書」の「資料編」からピックアップしました)
そしてこのようなことはいまも起こっている。いまおこなわれている軍事演習が、次の軍事対立の構図を更新している。たとえば、日本とフィリピンが軍事関係の強化を進めています。台湾を挟んだフィリピンと琉球弧で、米軍の長射程ミサイル発射装置をふくむ新兵器の配備と軍事演習の強化が同時に進められていて、とてもヤバいと思います…
③【軍事演習が、島嶼戦争のための最新の兵器を島じまに持ち込む】
ことし(2026年)の前半は、たくさんの米国主導の大規模演習が同時期におこなわれました。この四つは日本が参加したものです。世界最大規模の多国間演習「リムパック」(6~7月)はハワイ諸島を中心に、「ヴァリアントシールド」(6~7月)はグアム島などを中心に、「バリカタン」(4~5月)はフィリピンの島じまで、「レゾリュート・ドラゴン」(6月)は九州から琉球弧の島じまを中心におこなわれました。
さらに、ふたつの訓練がことしはじめて、琉球弧で実施されました。「陸上総隊演習(南西)」(「陸上総隊」は2018年3月に発足)が5月に与那国島・石垣島・宮古島で、「統合作戦部隊練成訓練」(「統合作戦司令部」は2025年3月に発足)が6月から7月にかけて種子島でおこなわれました。
こちらは、主要な自衛隊の演習・共同演習の一覧です。
さきほど、米海兵隊の「EABO」(島じまを踏みにじりながら戦争をする作戦)をベースとする、新たな「日米共同作戦計画の原案」が策定されていた、という2021年12月23日の共同通信のスクープのことをお話しました。じつはちょうどその頃、このような日米の新たな作戦計画を具現化する軍事演習がすでにおこなわれていたのです。それが、2021年12月4日~17日に実施された第一回目の「レゾリュート・ドラゴン」です。
「領域横断作戦とEABOとの共通点については、どちらの部隊とも作戦当初から戦域内に所在する『スタンド・イン・フォース』として、あらゆる領域からの攻撃に対して部隊を防護し、持久して作戦を遂行するという点にあります」と書いてあります。
「作戦当初から戦域内に所在する『スタンド・イン・フォース』」は、「戦域」である琉球弧の島じまに、あらかじめ事前配備部隊として日米の両部隊が展開していることを示しています。そこは射程圏内の「戦域」であり、ミサイルの飽和攻撃をふくむ「あらゆる領域からの攻撃」のなかで、〝残存〟して〝継戦能力〟を発揮して「持久」戦を「遂行」するのだということです。
一回目では、当時「EABO」の主力と言われた海兵隊の「ハイマース」が、はじめて沖縄の米軍嘉手納基地から青森へ空輸されました。参加人数は約4千人で、当時、「日本最大規模の二国間実動訓練」と言われました。規模はどんどん拡大され、五回目(2025年)では、参加人数約1万9千人までふくれあがっています。
二回目(2022年)までは北海道などの演習場を「島」に見立てておこなわれ、三回目(2023年)以降は、「戦域」と設定されている琉球弧の島じまでもおこなわれるようになりました。
「石垣島で米軍と共同訓練する計画は、全くございません」と、基地建設着工直前(2019年2月13日。着工は同年3月1日)の住民説明会で、伊藤晋哉沖縄防衛局企画部長(当時。現局長)は明言していましたが、デタラメでした。
訓練の終了日、陸自方面隊の山根寿一総監は記者会見で、「地域の理解への感謝」を述べました。
二回目(2022年)では、米海兵隊の自走式多連装ロケット砲システム「ハイマース(HIMARS)」が、陸自の自走式多連装ロケットシステム「MLRS」と北海道の演習場で実弾射撃をおこないました。
四回目(2024年)は、勝連分屯地(沖縄県うるま市)に発足したばかりの「第7地対艦ミサイル部隊」や、「EABO」を実行する中核となる部隊として2023年に沖縄に編成された「海兵沿岸連隊(MLR)」が参加しました。
「ネメシス」と「マディス」は六回目の「レゾリュート・ドラゴン」の終了後、沖縄の米軍基地にそのまま配備されることが決まり、キャンプ・ハンセン(沖縄県名護市、恩納村、宜野座村、金武町)でおこなわれた修了式でお披露目されました。
そして9月の訓練終了後、両兵器は、在日米軍基地に「保管」(配備)されることになっています。
ことし(2026年)4月~5月、フィリピンの島じまでおこなわれた米比主催多国間訓練「バリカタン26」に、自衛隊の「戦闘部隊」がはじめて参加しました。「比領土に日本の戦闘部隊が展開するのは1945年の終戦以来、初めて」と報道されました(フィリピン新聞 2026.3.25 「かつての敵から共通の盾へ」)。
北海道の第1地対艦ミサイル連隊(北千歳駐屯地)が「洋上標的撃沈演習」に参加し、88式地対艦誘導弾2発を発射し、約75km沖の標的艦に命中させたということです。
レイテ島のタクロバン空港に配備されたタイフォンから発射されたトマホークは、北西約630km先にあるルソン島のフォート・マグサイサイ基地に命中したそうです。どのような軌道を飛んだのか分かりませんが、島から島へ、もしかしたらフィリピンの島じまの上空を、巡航ミサイルが飛びました。
2024年の「ヴァリアントシールド」で米陸軍は、パラオ国際空港から、次世代長距離精密打撃ミサイル「PrSM」を発射し、海上を移動する標的に命中させました。
「PrSM(Precision Strike Missile)」は最大射程が千kmにもおよび、「ハイマース」などで運用されます。(3月のアメリカによるイラン攻撃で、はじめて実戦で使用された)
ことし3月、自衛隊の長射程・隣国攻撃ミサイルの配備がはじまりました。そして、米陸軍の、地上発射型の長射程ミサイルが、とうとう日本に配備されようとしています。
「離島を防衛するための基本的な対処要領」として、「事前配備による要領」と「奪回による要領」が記されています。「奪回」とは、何を意味するのでしょうか。
※論文『日米の水陸両用作戦プロセスの分析 ー太平洋の戦いにおける実相の再評価ー』関健太郎(海幹校戦略研究第14巻1号 2024年12月)より
1921年には、「ミクロネシアにおける前進基地作戦」が、海兵隊の作戦計画として正式に承認されたそうです。
「大東亜戦争」において、「日米はそれぞれ水陸両用作戦を準備した」が、「日本軍は実戦で成果を挙げられなかった」、いっぽうで「米軍は成功させた」※。
だから、「大東亜戦争における教訓を忘れず、また同じ失敗を繰り返さぬように水陸両用作戦を練成していかなくてはならない。」※
「戦後」の自衛隊は、占領された島を「奪回」する水陸両用作戦を、アメリカ海兵隊から学ぶことにしました。
※「」内は、論文『日米の水陸両用作戦プロセスの分析 ー太平洋の戦いにおける実相の再評価ー』関健太郎(海幹校戦略研究第14巻1号 2024年12月)
島と、そこで暮らす人びとの主体性は認めない。ただ、奪ったり奪われたり奪い返したりする、陣地としての島、領土としての島、利用価値としての島しか認識しない。日本「本土」は、ずっとそうしてきました。
「アイアン・フィスト」は、水陸機動団と米海兵隊の共同訓練となり、2022年度(2023年2~3月)からは場所を日本に移し、九州や沖縄を中心におこなわれています。
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| 2026年3月2日、「アイアン・フィスト26」で種子島の一般海浜に上陸する自衛隊のエア・クッション型揚陸艇「LCAC」。写真:陸上総隊司令部「X」 |
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| 同日、種子島の公園に着上陸するオスプレイ「MV-22」と海兵隊。写真:陸上総隊司令部「X」 |
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| 宮古島・保良(ぼら)集落の生活道路に侵入をくり返す、自衛隊のミサイル車両や大型車両。住民の再三の抗議・申し入れは無視。 |
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| 宮古島全体を訓練場と勘違いしているのか、火薬類を載せた「危」車両も、「走行訓練」の車両も、島中を走り回る。公園や空港や港湾でも訓練が実施された。自衛隊は訓練は「駐屯地内や訓練場内でおこなう」と約束していた。 |
④【日頃の訓練が、島の風景を変える】
大規模訓練ばかりでなく、日常的におこなわれる訓練も、住民を圧迫しつつ、島のあり方を変えていきます。
静かだった島に、毎日のように軍用車両が走り回ったり、小銃を抱えた自衛隊員が「行軍訓練」をおこなったりします。訓練の一環として、地元の伝統行事や防災訓練に参加し、子どもたちを軍用車両に乗せたり軍服を着せたり、カレーをふるまったりします。「職場体験」と称して、中学生や高校生に軍事訓練を体験させたりします。
ここでは、奄美群島の例を見てみます。(写真は、陸上自衛隊 奄美・瀬戸内「X」より。写真の一部は顔の部分を加工しました。)
⑤【軍事演習が、公共空間を軍民共用空間に変えていく】
さらに、ことしの3月から8月にかけて、たくさんの空港・港湾が「特定利用」の候補として「検討中」だということが明らかになっています。分かっている範囲では、24の空港と16の港湾、計40施設が「検討中」とされています。これらが指定されると、48の空港、49の港湾、計97施設が「特定利用空港・港湾」ということになります。
(「国家安全保障戦略」2022年12月 閣議決定 より)
そのために、「自衛隊・海上保安庁」と「インフラ管理者(地方公共団体など)」との間で、「円滑な利用に関する枠組み」を設けることになります。
空港・港湾でおこなわれるのは、「訓練」と「施設の整備」です。
空港・港湾と自衛隊の施設との「アクセス向上」に向け、「道路ネットワークの整備」もおこなわれます。
あくまで「平素」の利用に関する制度であり、「有事」における使用や「米軍」の使用は、別の法的な枠組みによることになります。ただし、「平素の訓練」から「有事」まで、シームレスな「利用」が想定されていることは言うまでもありません。
琉球弧を戦場として想定する島嶼戦争を「持久」して戦うための「継戦能力」強化のために重要なのは、物資の輸送能力や、増援部隊の機動展開能力の向上です。その重要な拠点となる民間空港や港湾を「平素」から利用するのは、「有事(本番)」で「円滑」に利用できるようにするためです。
「特定利用空港・港湾」の指定がはじまる前年、2023年8月に「特定重要拠点空港・港湾」(という名称だった)の候補として、33施設が選定されました。その年の11月の「自衛隊統合演習」のプレスリリースには、「実施場所」として「民間空港・港湾」と明記され、18の市町村名が列記されました。
(「川崎市」では、民間病院と自衛隊との共同訓練がおこなわれました。「継戦能力」強化のために重要視されていることのひとつに、「後送態勢」の強化があります。島じまで大量に発生した自衛隊員の傷病者を、後方の病院に運び治療することです。川崎市の新百合ヶ丘総合病院には2020年に新設された「外傷再建センター」があります。そこは「外傷のスペシャリストが集結する全国でも稀有な治療拠点」だといいます。)
2023年11月13日、「自衛隊統合演習」で、徳之島空港ではじめて、自衛隊の戦闘機が連続離着陸訓練(タッチアンドゴー)をおこないました。自衛隊基地が攻撃を受けて使えなくなったので民間空港を使う、という設定でした。
奄美空港でも同様の訓練がおこなわれ、大分空港と岡山空港でも、戦闘機や輸送機による離着陸や給油の訓練が実施されました。
こちらは石垣空港です。「特定利用…」の候補にはなっていますが、沖縄県が管理する施設は、沖縄県が合意していないので、指定されていません。
しかし2023年の「レゾリュート・ドラゴン」では自衛隊のオスプレイ(V-22)などが飛来し、日米共同の「患者後送訓練」や「物資輸送訓練」などが実施されています。
また、石垣空港は、このような「利用」もされています。
軍事利用が拡大されているのは、民間空港・港湾・道路だけではありません。自衛隊用語で、訓練場以外の場所で行う訓練のことを「生地(なまち)訓練」と言うそうです。公園や海岸や畑や山の中など、島中いたるところでおこなわれる「生地訓練」が、とくに種子島や奄美の島じまで拡大・常態化されています。
ここでは、2024年10月23日から11月1日までおこなわれた日米共同統合演習「キーン・ソード25」で、どれだけ奄美群島(奄美大島・喜界島・徳之島・沖永良部島)で「生地訓練」が行われたかということを、ざっと見ていきます。地図上の丸印に注目してください。これは一回分の「キーン・ソード」で起こったことです。
⑥【軍事演習のプログラムが、環太平洋全域を統合する】
米海軍が主催する「リムパック(環太平洋合同演習)」は1971年にはじまり、ハワイ周辺海域を中心に隔年で実施されている世界最大級の多国間訓練です。自衛隊は1980年代から参加しています。ことしの6月24日から7月31日までおこなわれた「リムパック2026」には、31か国、2万5千人以上が参加しました。
海上自衛隊からは護衛艦「こんごう」が参加し、「ハープーン対艦ミサイル」を発射しました。
ハワイで「リムパック」に反対する活動を続けている人たちは、「リムパック」を「太平洋でおこなわれる軍事演習の〝スーパーボウル〟」だと表現しています。軍事演習界の中心に君臨する「リムパック」に出場する31か国の多くは、太平洋を縁取るそれぞれの地域・領土で、年間数百回にもおよぶアメリカのための多国間軍事演習を開催している、ということでしょうか。
そのような膨大な軍事演習を通じて、環太平洋地域の戦争態勢を統合するプログラムが進行しています。
※Indo-Pacific Defense FORUM(インド太平洋軍が発行する専門誌)公式サイト掲載記事『太平洋 多領域訓練・実験能力 米国、その同盟国・パートナーが得る 非対称的な優位性』より
環太平洋全域が、アメリカが主導する「マルチドメイン作戦」の共同訓練と実験をおこなう場として、そして相互運用性を強化し「即応態勢を維持」する場として、統合されようとしているのだと思います。
そのプログラムには、AIが導入されています。
2026年3月9日、米国防総省は、パランティア社のAIシステム「メイブン(Maven Smart System)」を指揮系統に正式に採用しました。
パランティアは、2003年に米国で設立されたデータ解析企業です。政府や軍、企業に向けて、大量のデータを統合・解析するソフトウェアを開発してきました。パランティアがどのようなことに関わってきたのかは、こちらをご覧ください。
日本の「防衛省」は、指揮系統にAIを導入する方針で、パランティアの「メイブン」が有力候補だと言われています。「安保3文書」を年内に改定し、指揮系統へのAI活用を盛り込もうとしています。
しかしもうすでに、日本はパランティアの技術の導入をはじめています。
※新たに開発・量産されてきた「12式地対艦誘導弾能力向上型」が、ことし3月の配備の際に「25式地対艦誘導弾」と改称された。「島嶼防衛用高速滑空弾」も「25式高速滑空弾」に。
射程1千kmのミサイルを発射する際、遠く離れた標的に狙いを定める「ターゲティング」は、難しいとされています。そのためには、衛星画像や、無人機や各種レーダーから集めた膨大な情報を分析して判断する必要があるといいます。「ターゲティング機能でAIを使うことは有益だと考えている」と、内倉浩昭統合幕僚長は4月の会見で言いました。
軍事作戦へのAIの導入。指揮系統へのパランティアのAIの導入。
琉球弧の島じまを戦場と想定している日本、隣国を攻撃できるミサイルを大量に保有しつつある日本、そういう日本が、パランティアの提供する頭脳によって環太平洋地域の戦争態勢のなかに統合されるとき、いったいなにが起きるのでしょうか。
これについては、これだけでたいへん大きなテーマなので、次回の課題とさせてください。
ただ、環境破壊ということに関して、さいごに、三つの島を紹介します。
ハワイ先住民の聖地とされている島です。1941年、米軍が農園主から転借りし、それ以来「射爆場」とされてきました。
1982年の「リムパック」では、海上自衛隊の護衛艦3隻が、この島に対して100発もの艦砲射撃をおこなったそうです。この演習の際、ひとりのマウイ島の住民がサーフボードに乗って「不法侵入」してカホオラウェ島に立てこもり、軍事演習に抗議をしました。そしてその帰路、波にのまれて亡くなったそうです。
1991年に米軍の演習が終了し、1994年5月にカホオラウェ島はハワイ州に返還されました。
1945年、米軍が慶良間諸島に侵攻した際に、入砂島を占領。そのまま占領が継続されて、1954年に「出砂島射爆場」とされ、荒れ果てた姿となり現在に至ります。
2024年の「キーン・ソード」では、陸上自衛隊と米陸軍と米海軍と米空軍と米海兵隊と豪陸軍と加陸軍による「統合火力誘導訓練」の標的となりました。
リーフに囲まれた美しいサンゴの島で、4つの御嶽がある、渡名喜島の住民の聖地。
戦争拠点をつくるために、
そして、「島嶼戦争」のためのあらゆる訓練をおこなう巨大な軍事演習場をつくるために、
「宝の島」がまるごと殺されています。
2023年1月、自衛隊「馬毛島基地(仮称)」本体工事着工。
…以上です。ありがとうございました。



























































































































































































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