〈報告・後編〉琉球弧の島じまは最前線に位置しているのではない6.27官邸前宣言

 

〈報告・後編〉

琉球弧の島じまは最前線に位置しているのではない6.27官邸前宣言 
 
呼びかけ:島じまスタンディング、STOP大軍拡アクション 
6月27日(木)18:00~19:00過ぎ 首相官邸前/国会記者会館前 参加約35人

「島々から呼びかける 全国を戦場にさせない!東京行動」の皆さまの声、まず与那国島から…「官邸前宣言」の報告・後編です。以下、参加者の発言から。

 

■山口京子さん(与那国島の明るい未来を願うイソバの会)

みなさん、こんばんは。初めて、今回こういう会に参加して、島々、そして九州まで広がっているこの今の厳しい状況を、与那国だけじゃなくて、困った状況になっている地域がどんどん広がっているということを再認識しました。


畳み掛けるように基地強化が進み、いろいろな施設が次から次へとやって来ています。声をあげる人がいないと、人に伝わらない※※。皆さんの応援を得て、頑張っていきたいと思います。

 

 ※「2016年3月に沿岸監視部隊が開設して9年になります。ほとんどの人が沿岸監視部隊で配備は終わると考えていたと思います。しかしその後、次から次へと、レーダーの増設、電子戦部隊配備、ミサイル部隊、島の北側にOTH(オーバー・ザ・ホライズン)レーダーの研究開発を与那国島で、との新聞報道も最近ありました。そして軍民共用の特定利用港湾施設の計画(重要湿地に指定されている樽舞湿地の大規模開発)など、この周囲27kmの小さな島ではあり得ない、基地能力の強化が続いています。そして、米軍との合同訓練が当たりまえのように行われていて、異常な状態です。」
「〝たった2挺の拳銃で島が守られている状況〟が、自衛隊誘致の理由に語られていました。でも9年過ぎて考えれば、たった2挺の拳銃の方が、安全だったのではないでしょうか。基地機能が強化され、島は危険な場所になり、集団疎開の話まで出てきています。」(院内集会での山口さんのお話から)

※※「1700人の人口で、周囲27kmの小さな島で、5~6人にひとりが自衛隊関係者という状況。想像してほしいのですが、石垣島や宮古島など万単位の人口の島ではありません。自由に、自衛隊のあそこがおかしい、ここもおかしいと、とても言いにくい状況です。とても息苦しい島になっています。」(同上)


 

■藤井幸子さん(東京行動実行委員会事務局・石垣島の平和と自然を守る市民連絡会)

今日の私たちの「島々から呼びかける全国を戦場にさせない!東京行動」。初めて地域のみんながつながって、院内集会と政府要請を行うことができました。それに連帯してここでスタンディングしてくださった皆さんに、まず感謝したいと思います。ありがとうございます。

今回私たちがこういう呼びかけをしたのは、戦場になる、その危機感というのは私たちだけのものじゃない。全国だということを、発信したかったからなんです。

南西諸島だけではなく、今回は日程の都合で参加できなかった地域もあるんですが、今日は大分と福岡、京都が参加をしました。京都は、弾薬庫をさらに増設するということで、皆さんに状況を伝え、政府にも要請を行いました。…全国各地で、138ヶ所の弾薬庫が建設・増設をされるということになっています。基地の強靭化等といえば、もっと大きな数字になります。まさに、北海道から、いちばん西の与那国島、(いちばん南ではありませんが)南の波照間島まで含めて、全国が戦場になる危機がある。そのことを私は、いまここを歩いている、たぶん役人の方やいろんな方が歩いておられます…いま歩いてる皆さん、想像してみてください。皆さんのすぐ傍に、ミサイルが来たり弾薬庫ができたらどうしますか。黙って見ていますか。やっぱり声をあげて止めたい、国が戦争に突き進むのを止めたい、そう思っているんじゃないでしょうか。そのために、声を上げようじゃないですか。

私たちはあきらめずに声を上げ続けます。この声が、日本中つながることを願って、今日参加しました。ありがとうございました。


■合田公計さん(大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会 事務局長)

今日は大分から二人でやって来ました。

大分では去年の2月に大型弾薬庫を2棟造るという話が新聞報道されました。もともとここ(大分分屯地)は1955年、当時はまだ村だったんですが、自衛隊発足の翌年にできました。1986年に地元の代議士が国会質問しておりまして、33棟の弾薬庫にTNT火薬換算で1000トンの火薬が貯蔵されている、使い道は日出生台等での演習であると、日出生台が8割、残りは十文字原やその他の演習として使っているということでした。広さは、1.44㎢、形は少し楕円形みたいな形で、東西が約1.5km、南北が1.3kmぐらいです。当時は、1955年というたら70年ぐらい前、人口も少なかったんですけども、大分新産業都市・「新産都」という言葉がありますように、1970年前後から人口が増えました。大分大学も、大分分屯地の目の前に1967~8年頃から建設されて、そこに大分大学は統合移転しました。大分県の臨海地帯には工場等が立ち並び人口が増えて、大分分屯地は、いまは住宅密集地のど真ん中という位置にあります。「注視区域」(土地規制法)という指定がありましたが、1kmの中に約8000戸・7800世帯の1万6千人くらいが住んでおります。2kmに広げると、ざっと2万世帯・4万人くらいの人が住んでいます。大分駅までの距離は5~6kmで、へき地にあるわけではなくて、なぜこんな住宅密集地に造るんだということで多くの人が反対をしております。

かつ、保管するモノが、ミサイルだと。従来は「演習弾」というモノを貯蔵していたけれども、これからは、他国を直接攻撃する敵基地攻撃ミサイルを保管する。そんなことをしたら狙われるじゃないか、保管するのはとても危ないモノじゃないか、ということで反対運動が起こりました。


弾薬庫について、自衛隊は説明会を開くと「火薬庫」と言うんですね。だけど火薬庫じゃなくて弾薬庫ですよね。なんで火薬庫という言葉を使うのかというと、「火薬類取締法」を準用する、という理屈のために使っている。だけど、火薬と弾薬とどっちが危ないかと言えば、弾薬が危ないわけです。だから、安全なモノの規則を危険なモノの規則として準用するという、そんな馬鹿なことはないだろう、というのが根本にあると思います。

それで、自衛隊の通達の中に火薬類の取扱いについての通達というのがあります。もし弾薬庫が火事になったらどうするか。防衛省のホームページに載っているパンフレットには、火事になったらすぐ消火活動します!と書いてあるんですね。だけど通達には、もし火事になったら、消火活動はするな、と書いてあるんです。弾薬庫に火が届かないことが確実に分かったらしてもいいよ、爆発が終わった時はしてもいいよ、でもやばそうな時はするな、と書いてある。だから防衛省のホームページに載っているものと、話がまったく違うじゃないか、ということですね。かつ、危ない時は600m離れろ、と書いてある。だけど鹿児島その他で説明してる時は、弾薬40トンの場合は550mくらいの保安距離を取りますから大丈夫です、と言っている。大分の場合は、弾薬庫から敷戸南保育所とか、東町・南町の住宅までは380mとか400mしかないわけです。そうすると、その距離だと15トンしか貯蔵したらいかん、ということになってるわけですけど、本当に15トンなのかと。普通はとてもおかしいという話です。

それで今日質問をしたんですけど、ジュネーブ諸条約とか国際人道法と言われてる、1977年に作られた追加議定書というのがあるんですね。これは戦争を前提にして、軍と民とを分けて、民の犠牲を減らしましょうね、という発想のものですね。その第58条Bにはですね、戦時に軍事目標になるものを住宅密集地に造ってはいかんと、書いてあるではないか、なんでこんな住宅密集地のど真ん中に造るんだ、おかしいじゃないかという質問をしました。

防衛省から返ってきた答えに、52条の第2項には…どうのこうのと書いてある。52条…というのはよく知らなかったので、念のために見ておこうかと、見たんですね。そしたら「民有物」って書いてあるんですよ。弾薬庫っていうのは軍事物ですよ。民有物、だからダムとか発電所とかを、軍民分離ですから、攻撃したらいかんと。その民有物にはどんなものが当たるかというのが延々と書いてあって、びっくりしました。今日の回答、まったく回答にならんからやり直しせえ、と言ってきました。

あとはひとつは、「台湾有事」と言っても、なぜ台湾の戦争に日本が参戦しないとならないのか、岸田首相とか、台湾有事は日本有事と言ったじゃないか、というふうに言いました。そしたら、岸田首相はそういうこと言っておりません、安倍首相は言っておりましたが、という驚くべき答えが返ってきました。その答えの中には、ケースバイケースなので一概には答えられないと書いてある。ケースバイケースなので一概には答えられないということは、場合によってはやるっていうことですよね。やらんだったらやらんと(答えられるはず)、一概には答えられないということは、やる気だということです。

ということで、島々の方から呼びかけがあって急きょ参加することになりました。そして今度は、12月1日に大分で、できたら全国の人にたくさん来てもらって、いっしょにやりたいなと。ぜひ、いろんな方に呼びかけをしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それからさきほどの宣言、まさにその通りだなと、強く同感しました。また今後とも、よろしくお願いします。


■上里清美さん(ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会 共同代表)

皆さんがこうやって気持ちをひとつにして集まっていただいて、そして同じ怒りを持って、一緒の気持ちで頑張りたいと、ここでやっていらっしゃるということで、本当にありがとうございます。

今日は…防衛省は、本当によく嘘をつきますね。同じ人間か!と思います。どうやったらあんな子どもが育つのかなと。とっても不思議でしょうがないですね。

宮古島に、2015年頃、自衛隊基地を造るという話があったときに、宮古の集落の皆さんに防衛省が話をしたのは、「宮古島の基地には、弾薬は置かない」そして、「ヘリは飛ばさない」。オスプレイも飛ばさないってことですね。そういうことを言ったんですよ。ところが2019年に宮古島駐屯地ができて、開設式のときにですね、見ると、弾薬庫があるじゃないですか! ということで、現場の隊員に「あれは弾薬庫ですか」って聞いたら「はい」って素直に答えました。現場の隊員はウソをつきません。ウソをつくのは防衛省。東京にいて、自分たちは体を張らないで、若~い子どもたちを勧誘して育て上げて、自分たちの思うままにこの若い自衛隊員たちをね、戦争に向かわせていくのかなって思うと、ほんとうにムラムラして…

今日の交渉のときの回答も、私たち宮古島住民、石垣島住民、与那国島住民、有事の時とかね、存立危機事態とかそういう時、九州に避難させるってことになってるんですけど、その有事というのは、どういう時を有事と言うのかと聞いても、はっきりしない答えなんですね。そのときそのとき、っていう返事で、どういう時を有事っていうのか、という返事をしません。

そういういい加減な防衛省の、有事というものもはっきりしない中、私たち住民に説明しない中で、私たちは自分のおうちも捨て、家庭もバラバラになり、住んでいるところを捨てて、宮古島住民は、石垣島住民・与那国島住民は、本当にバラバラになって、どこで生きていくのかってことですよね。ホテルとか旅館は1ヶ月分は補償すると。でもその後はもう勝手にしてくれってことでした。ほんとに無責任だって思いますけど、そういうことでお金使うんであればね、中国とか、台湾とか、アジアの国々に出かけて行って、一生懸命、お金が何十兆円もあるんだったら、これを使って、仲良くなってほしい。「北朝鮮は敵」と思うんだったら、そこに行って、支援してね、仲良くしてほしい。そういうことにお金を使って欲しいなと思います。

いま、いろんな所で戦争が起こっているけれども、そこに加担するんではなくて…もう、ウクライナとかガザを見てると、自分たちのことに思えるんです。本当にそう思います。私たちは戦争を望んでいません。沖縄戦を体験した県民は…、県民の4人にひとりが命をなくしているわけですね。そして、「軍隊は住民を守らない」ということを、私たちは、親、祖父母から学んできました。いまの防衛省のやり方は、まったく79年前の軍隊の考え方と同じだと、私は感じます。防衛省・自衛隊に、いざという時に私たち住民は、きっと守られないだろうと思ってます。

いっしょに頑張っていきたいと思います。皆さんよろしくお願いします。


■當真まり子さん(ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会)

なによりもやっぱり、言葉が通じなかったです! ほんとに言葉が通じない、なんだこれは~!

避難するということ…避難というか疎開というか、が出てるんですけど、私たちは、ただ息をしてるから生きてるわけじゃなくて、宮古で、宮古の風があって、宮古の太陽があって、宮古の土があって、宮古で生きてるから自分が生きてるんですよ。

ね、私の命だけで私が生きてるんじゃなくて、宮古の風があって、太陽があって土があって…「風土」といいます。風土があって私たちが生きています。だから、この風土をまったく考えない防衛省! 領土じゃないんだよ! 分かった~?、領土じゃないんだぞ、風土なんだぞ!

私たちは風土のなかで生きてきて、その風土を守ることを、平和を守るといいます。みんなが、それぞれの地域で、それぞれの風土を守って、頑張りましょう!


■白玉敬子さん(石垣島の平和と自然を守る市民連絡会 共同代表)

みなさんが大好きな石垣島、きれいな海、豊かな自然が守られているのは、平和だからこそです。この平和を満喫するために、ぜひみなさん、南西諸島、宮古、石垣、与那国島まで足を伸ばして来て下さい。きれいな海で満足して帰ってください。そうすることで、国が何をしてるか分かります。私たちはこのきれいな海を残したい一心です。カンムリワシを守りたい、ヨナグニウマを守りたい、与那国島にある、沖縄県一大きな樽舞湿地に、コウノトリが飛んで来ますよ。見たいでしょ。はい。見に来て下さい。

ああ、戦争に行って、死んだら、かみさまになるのかな。ということで、沖縄のうた、サア~ゆいゆい、で終わります。


■和田香穂里さん(馬毛島基地反対住民訴訟原告団 団長/種子島から)

まずは、今日の「島々から呼びかける 全国を戦場にさせない!東京行動」に結集された皆さま、本当にお疲れさまでした。

防衛省ほか、省庁の回答…あんなもん、だなあと。皆さん、住民説明会を求めているところがけっこう多いと思いますが、種子島では、防衛省の役人による説明会が何度か開かれています。開かれていますが、あんなもん、です。そして、防衛省は説明会を開いたことを、説明をしたことで「住民の理解を得た」ということにすり替えます。なので、説明会を求めること自体は悪いことではありませんが、そこのところは、意識しておいた方がいいと思っています。

それから、いま、馬毛島の自衛隊基地、着々と工事が進んでいるんですが、かつて、反基地・基地問題といえば、米軍基地のことだったと思います。けれどいま違います。私たちが向き合っているのは、自衛隊基地、自衛隊・この国が戦争をする準備、そこに向き合い、反対の声を上げているということを、いまいちど確認したいと思います。

…ちょっと、トーンダウンして、あんまりね叫んでいると疲れちゃうから。地名を読み上げていきます。

室蘭、札幌、函館、帯広、青森、岩手、福島、宮城、仙台、いわき、郡山、福井、石川、金沢、宇都宮、水戸、栃木、千葉、袖ヶ浦、市原、柏、大宮、春日部、所沢、川口、足立、練馬、品川、多摩、川崎、横浜、相模、湘南、長野、浜松、名古屋、豊田、尾張小牧、三河、滋賀、京都、なにわ、大阪、堺、神戸、姫路、三重、和歌山、奈良、和泉、広島、鳥取、山口、愛媛、徳島、高知、高松、長崎、福岡、筑豊、久留米、大分、熊本、宮崎、奄美、沖縄

これ、何の地名だと思いますか?
…残念! いま、基地工事が始まる少し前から、種子島に出入りしている他県ナンバーの車のナンバーです。これほど、北は北海道から南は沖縄まで全国各地から、馬毛島の工事のために、種子島にやって来ています。そして、様々な混乱が起きていること、今日質問しましたが、まあ、あんな回答。ただですね、これは種子島だけで起こっていることではなくて、かつて与那国で、あるいは宮古で、石垣で、そして沖縄島で起きてきたことであり、その辺(にいる)のお役人さんたちが、それぞれの島々に押し付け、そしてさらに、島々だけではなく、いろいろなところで、軍拡のために押し付けてきたことのほんの一端を示すものでしかありません。

私たちはただ、安全に、静かに、平和に暮らしたい。でもそれを脅かすのが、いまのこの国のあり方です。

種子島には28億円の最編交付金が交付されました。いちばん最初に各市町が取り組んだことのひとつが、子どもたちの給食の無償化です。でも私は、自分の孫に、あるいは孫を育てている娘に、種子島においで~自衛隊基地ができるからね、給食費タダなんだよ~、なんて言うわけないでしょう! 誰も言わないと思います。これから、医療費の窓口無償化も、始まると思います。

文科省も!厚生労働省も!自分たちがやるべきことをなんで防衛予算でさせるんだ! 各省庁は、もっとしっかりしなさい! 私たちの税金は、あるべき姿で使いなさい! なぜ、島々の、あるいはその他の地域の活性化なんてものを、防衛予算でやらなきゃいけないの!? おかしいでしょう! 

これは、防衛省だけの問題ではなく、この国の政治のあり方そのものなんですよ、わかりますかー、岸田さん!

私たちは、平和な社会に生き、それを、子どもや孫や、その先々の人たちに伝え、そして近隣の国はもちろん、世界中の国の人びとと、仲良くして、戦争をしないで、暮らしていきたいと、そこを目指しての、いま、反戦・反基地、この活動である、というところをですね、たぶんここにお集りの方はよく分かっていらっしゃると思うんですが、それぞれの地域のそれぞれの事情の中で一生懸命やりながら、それだけではらちあかんと、いま、東京に押し掛けてきたわけです。この、今日は記念すべき、みんなで連帯して連携して、ほんとうに、文字通り手をつないで、東京の、言ってみればこの国の真ん中で声を上げた、藤井さんがおっしゃいました、「スタートの日」だと思います。ここから私たち、負けない、折れない、闘い続けるぞー、ということで、みんな、がんばろー!!!


■塚本和也さん(弁護士、馬毛島基地反対住民訴訟原告団)

私は島々の方々じゃなくて、八王子の弁護士なんですけれども、一ヶ月に1回くらい鹿児島や種子島に通わせてもらって、闘っています。

6月2日にようやく「裁判を支援する会」というのが鹿児島市内の平和団体の方を中心に立ち上がりまして、今日の朝まで私が苦手なチラシ作成をして、暫定版を作りました。…チラシを作る人とか、ホームページ作る人とか、人手も足りてないので、ぜひご支援いただければと思っています。

馬毛島基地、あっという間にアセスも通されて、着工して、すごい人数が…能登の復興に行けばいいのに、たくさん全国から集まって、すごい予算がつぎ込まれて…8800億です。私は軍事費43兆円ってすごいな、ひどいな、と思っていたんですけど、43兆円の枠外だという答弁も出ました。辺野古も馬毛島も、1兆ずつかかるだろうと言われていますが、43兆円の枠外です。ですので、45兆円は最低でもかかると、ほんとうにひどいありさまです。自民党は裏金も作っている。そんなお金がありまくる相手に対して、私たちは、5万円10万円の交通費も出せずアップアップしているところです。どうか少しずつ、ご支援いただければと思っています。

ぜひ一緒に、法廷の中と外で闘い続けて、基地建設ぜったい止めたいと思っていますので、よろしくお願いします。


■植松青児さん(STOP大軍拡アクション)

今日の共同呼びかけのSTOP大軍拡アクションのメンバーとして、お話させていただきます。ふたつのことをお話したいと思います。

ひとつは、個人的な話っぽくなりますが、8年前から、この自衛隊南西シフトの問題で、この場所に立っています。最初は8人くらいしかいませんでした。2回目も10人ちょっとでした。2回目が、ちょうど8年前の、2016年の4月です。その時、与那国島から、イソバの会の稲川宏二さんが来られました。

正確にはこの場所じゃなくて議員会館側で、稲川さんにお話していただいたんですね。すごく、落ち着いた、静かな語りで、ひじょうに的確に、お話をされました。それを聞きながら…どれだけの怒りと、憤りと悲しみを、ある種包み隠して、冷静に、この東京の永田町で、どれだけ我慢してお話されているんだろうということを、想像しました。本当に、聞いていて足が震えるような、思いだったんです。

実は稲川さんのこと、詳しく存じていなくて、その後にインターネットで、焼酎をつくっている方だっていうことも知ったのですが、それから間もなく、稲川さんが、海の中の事故で、お亡くなりになられたことを…知ることになりました。その時の、無力感と、また、稲川さんへの申し訳ない気持ち、っていうのをずっと覚えています。

今日、島じまからいろんな方がいらっしゃって、やはり、稲川さんのことを思い出しました。8年前から、この問題は、たとえばこの東京に住む私たちが、引き受ける問題であるにも関らず、島々の人びとに、全部、苦しみと、闘う覚悟を強いていることに対して、申し訳ないと、申してきたんですが、8年たってもまだ同じことを言わなければいけないことに、なんていうか申し訳ないという言葉では、済まないと言いますか、情けなさを感じながら、お話を聞かせていただきました。


あともうひとつは、ここから少し私の考えを申し上げますと、戦争をするかもしれないから南西シフトに反対するのではなくて、戦争を、これから百年しなくても、南西シフトは害悪です。と思ってます。

もう少し突っ込んで言いますと、僕は、アメリカと中国は敵対しているように見えつつ、一種の共犯関係じゃないかと思っています。軍事緊張という構図をつくりあげることで、実際戦争する気がなくても、それぞれの軍が、得をします。それぞれの政権が、得をします。軍事緊張っていう構図を作れば、民主主義を制限することも出来るし、人権を制限することも出来るし、知る権利を制限することも出来るし、情報の透明性を不透明にすることも出来るし、いろんなことを秘密にすることもできる。そして軍需産業が儲けることもできる。お互いの国の権力者が、お互いの打算でそういうふうに考えたら、たぶん軍事緊張は続くと思います。

そしてそのしわ寄せをぜんぶ喰らうのが、東京でも北京でもワシントンでもなく、この東シナ海と呼ばれる海にある島じま、琉球弧から台湾まで含めて、だと僕は思ってます。そういう島じまの人びとが、苦しみ、ストレスをずっと抱え…その構図を、この東京で歩いてる人はなんにもストレスにも思わず、それが構造的な暴力だとも思わず、おそらく暮らしてもいけるでしょうが…この、大国がグルになっているような構図そのものを、どっかで終わらせることを、私たちは引き受けなければいけないと思います。ですから、日本政府に言いたいのは、中国と話し合えとかそういうこと以上のことを、僕は思ってます。

アメリカと中国と日本と、3つの政府が、琉球弧と台湾の人びとに謝ることだと思います。大国のエゴで、というよりはもっと言いますと、大国のそれぞれの政権のエゴで、そういう島じまを、ストレスを与え、軍事植民地化し、それを何とも思わないで来たことにたいして、謝罪すべきだと思います。

ぜんぜん微力である自分が何を言ってるんだと自分で思いながら喋ってますけれども、究極的にはそういうことだと思います。そしてアメリカもそうですが…アメリカはずーっと同じことを100年以上やってきたわけです。ハワイどうですか。ハワイがアメリカって、おかしいですよ!もともと、あそこはひとつの国でした。なんでアメリカになったかって、侵略して潰したからですよね。そして軍事植民地にした。そこが、日本とアメリカの戦場になった。そこに始まる歴史を、その後日本とアメリカは、両方の国で、どんどんどんどん、太平洋の、ハワイから西の方に同じことを何回も何回も繰り返して、最後は沖縄島なんですよね。ですから、謝るべきは、さきほど述べた島じまだけじゃなくて、ハワイからマニラ…フィリピンの島じまにいたるまで、そして、琉球弧の島じま、奄美、種子島、そして台湾も、すべて、大国が海の島じまをもてあそんできた歴史全体を、終わらせ、そして謝らせることだと思います。

今日の「宣言」は、まさにその最初の最初のこと、の宣言だと思います。私たち、明日からもこの今日の「宣言」を、まず自分たち東京で、その地域で、ひとりでも多くの人に共有することを、努力します。それを誓うことで、今日の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございます。


■コール
 

■告知:植松青児さん

STOP大軍拡アクションの告知です。

7月7日(日)17:00~18:00、新宿駅東南口。大きな木の下で、スタンディングアクションをやります。前回5月29日にも同じアクションをして、平日でも140人、集まっていただきました。前回が、日本軍が台湾に征服戦争を仕掛けた日(1895年)。次の7月7日は、日本軍が、中国に全面侵略をした日(1937年)。そういう日にちにアクションをします。

私たちのアクションは、イスラエルのパレスチナへのジェノサイドに反対する行動を何回かやりました。その延長上で、イスラエルと同じようなことを、この日本もやってきたってことを、ちゃんと踏まえて、その上でそこから、ジェノサイドをやめろという世界中の声に、合流していきたいと思って、企画しました。7月7日というと東京都はちょうど投票日で、その日は静かなので、開票が8時でみなさんまずやることないと思いますので、集まって来てください。

あと、個人的なプロジェクトですみません。同じ場所で7月27日に、広島市がイスラエルを8月6日の記念式典に招待しているので、ちょっとあり得ない、ふざけんなってことで、実は僕は広島の被爆3世なので、ほんとまじに許せなくて、抗議行動を、広島ではすでにやってますけど、新宿でもやります。7月27日、土曜日の夕方にやります。その翌週は広島に行ってこようと思ってます。

とにかくもう、おこりすぎて皆さん、頭どうにかなりそうなんですけれども、今日お集りいただいた皆さんに、本当にいろんな力をいただきました。その力を無駄にしないように、したいと思います。こんな遅い時間までご参加いただき、本当にありがとうございました。

 

■うた:Fujikoさん(島じまスタンディング)


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