〈報告〉「キーン・ソード」やめろ!10.22官邸前行動②

 

10月22日(火)18:00
琉球弧を踏みにじり、全国を戦争でつなぐ日米共同統合演習
「キーン・ソード」やめろ!10.22官邸前行動
呼びかけ:島じまスタンディング、STOP大軍拡アクション

の報告②です。 ▶①はコチラ ※動画は下にあります↓

 「島々を戦場にするな」という琉球弧から突き付けられた声にどう応えるか、と言っていますが、それに加えて、自分たちの未来にたいして深刻な危機感を抱かざるを得ない若い人たちから突き付けられた声にも、応えなければいけないのだ、と思いました。

 2020年から馬毛島基地問題に関わっておられる弁護士の塚本和也さん、強い危機感を持って駆け付けてくださった「琉球解放」の若い方たち、鯨井蜻郎さんのお話です。 
(以下、発言の文字起こしをもとに、要約、省略、言い換え、などの改変を一部しています。ご了承ください)
 


■■■■国を守ると言いながら、労働者を危険にさらす基地建設/裁判の中と外で
塚本和也さん
(弁護士、「どんたちの馬毛島を返してや」馬毛島基地反対住民訴訟弁護団事務局長)

 皆さんこんにちは。馬毛島という、種子島の西10kmにある島で、いま基地建設が続いています。私は弁護士として、種子島の住民の方々と共に、それを止めようと闘ってます。今回「キーン・ソード」の現場にはなっていないですけど、もし出来てしまったら、本当に琉球弧を舞台とする戦争の一大拠点として使われる、「島まるごと」の基地化をされている島なので、馬毛島に関する最近の状況や裁判の話などを少しさせていただければと思います。

 まずですね、とても残念なニュースが最近出まして、それをお伝えしなければなりません。先週金曜日の夜(10月18日)8時半、馬毛島基地建設の作業員が、事故で亡くなってしまいました。重機を運転していた方が、深さ4mの穴に落ちたということです。午後8時半に工事をしているんですね。それで、病院に運ばれたが死亡が確認されたと。「病院に運ばれた」と簡単に書いてありますが、馬毛島から種子島は10km離れていますので、順調にいっても船で30分かかる、海が荒れていると上陸できない、という状況ですので、病院搬送についても支障が出たかもしれない。そんな中で、スリランカ国籍の方が亡くなられた。外国から日本に働きに来ていた方が、戦争準備のための基地工事で亡くなってしまったという、大変悲しいことが起きてしまいました。ご冥福をお祈りしたいと思います。

 特にこういうことは、絶対無くさないといけない。国を守るためと言いながら、こうやって作業員の命を失わせてしまった。今年2月頃の新聞報道にも出ていましたけれども、作業員の労働環境、ひどいんですね。島に消防署がないので、火を使っちゃいけないってことで、全部冷凍食品。しかも、離島の離島で閉じ込められて、1週間に1回くらい種子島に戻るような生活らしいのですが、先程言った通り、海が荒れてしまったら戻れなくなります。作業員もあまり集まっていないということで、工事が3年遅れになっていて、今年2月には6千人の作業員導入という予定だったのが、いま現在4千人ほどの作業員が…、それでも4千人作業員が働いています。しかも、この、夜8時半に事故が起こるように、夜通し、種子島から見れば馬毛島が光り輝いている状況で、工事が、労働者の危険を伴いながら進められているということに、皆さんといっしょに抗議したいと思っています。

 馬毛島基地反対住民訴訟というのは、基地反対で受かったはずの市長が、米軍最編交付金などの揺さぶりによって、反対を言わなくなってしまい、そして、反対派の砦として残っていた馬毛島の市道と市有地、これを処分してしまったことに対して、違法性を追求する裁判、をやっています。

 裁判をやるとともにですね、来年選挙がありまして、その日程も今回決まりました。1月26日告示、2月2日投開票ということで、馬毛島が所属している西之表市の市長選と、市議会議員選挙が行われます。賛否を明言しなくなった市長も出るのですけれども、反対派としては住民訴訟の原告でもある、三宅公人さんというお医者さんが、反対派を代表して、出馬を表明しています。それに対して、賛否を明確にしない現職のほかに、なぜか賛成派が乱立し、いまのところ4人立候補表明していまして、さらに5人目も出て総勢7人での乱戦になるんじゃないかというところで、十分、反対派が勝つ見込みが高いんじゃないか、と。油断しちゃいけないですけど、25%とれば再選挙にならないので、何とか2月2日の決戦で、しっかり反対派を押し上げたいと思っています。私も1月下旬は種子島に張りつこうかと思っていますので、ぜひ皆さんとご一緒に活動できればと思ってます。

 住民訴訟と、もうひとつ、漁業者の差止め訴訟をやっています。漁業者も、反対でずっと闘ってきたんですけれども、お金の揺さぶりがありまして、いま、原告さんひとりになってしまいました。それでも、たったひとりで原告となって、差止訴訟をやってる方の裁判です。その2つがちょうど、次回の口頭弁論期日が12月の24日、クリスマスイブなんですけれども、午前と午後に鹿児島地裁で行われます。その傍聴支援なども呼びかけたい、と共に、何人か島じまスタンディングの方が来ていただけるということなので、裁判の前の日とかに、種子島で企画も用意したいと思っていますので、ぜひご参加いただければと思います。

 こういう裁判の中と外で闘いながら、琉球弧での戦争準備や、工事関係者の危険が伴う作業を、即刻やめてほしいという訴えを、皆さんと共にやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

(※首長選挙では、「法定得票数」=「有効投票数の4分の1」に届く候補者がいなかった場合、「再選挙」になる。候補者が多く票が分散すると起こりやすい。西之表市では、2017年1月の市長選で再選挙になった。)


 


■■■■■沖縄で起きていること、パレスチナで起きていること
琉球解放の方


 こんばんは。私たちは琉球出身ではないんですけど、沖縄の「慰霊の日」に、「琉球解放」というデモを企画した友達同士で、パレスチナ連帯活動を通して会いました。

 普段から一緒にパレスチナ連帯活動をしている、ここにいる友人と、明らか、いま沖縄で起きていることと、パレスチナでずっと起きていること、の共通点がたくさんあって、もっと沖縄のために何かしたい、というところで、次のデモいつだって話になって、たまたま、今日のデモを知って、もともと島じまさんたちのデモに行ってたんですけど、今日はここに来れました。

 日本のメディアからの報道の足りなさによって、パレスチナみたいな状況に、いつかなるんだろうなって思うとほんとうに、恐ろしく感じてしまいます。もっともっと、若いひとに、それを知ってほしいんですけど、なかなか、6時台だったり、昼間とかはなかなか、皆さん働いている時間なので難しいんですけど、でも、声を上げていかないと、本当にまずいと思います。

 このまま日本がどんどん軍事化されていって、世界中が、パレスチナと同じような状況もしくは、未来のことだからもっとひどい状況になると、毎日想像していて、日々、必死な感じです。

 仲間がいなければ、ほんとうに暗い気持ちというか、希望がないので、なるべく皆さんと一緒に活動していきたいと思います。


■■■■■■いちばん繰り返してはいけない場所で、繰り返しているということ

琉球解放の方
 
 こんばんは。まずこの「キーン・ソードやめろ」のデモの開催ありがとうございます。
 「琉球解放」のデモを行った6月23日、沖縄「慰霊の日」は、「本土」の方であまりにも認知されてない。沖縄戦というのは4人に1人の方が、殺されたわけですよね。日本軍や米軍に殺されて、あるいは沖縄の住んでる人同士で殺さざるを得ない状況に置かれて、4人に1人が亡くなっている。これをしたのは、こちら側なのに、こちら側がその死を悼まない。なにもせずに、のうのうと、その日を過ごしているというのは、ほんとうに、おかしいと思ってます。

 その6月23日以降にも、虐殺があったり、そういったことが続いていて、いま、また基地があって、軍事演習があって、つまり、いちばん繰り返してはいけない場所で、繰り返そうとしている、ってことが、恥ですね。通行人の方々とか、ここで何かを守っている方々とか、ここで抗議があることを知ってると思うんですけど、ずっと、素通りし続けている。それ、恥です。もう少し、学んだりして、こちら側に立ってもいいと思います。ほんとうに止めなきゃいけないし、自分たちの加害、これは第二次世界大戦だってそうですけど、加害をした人だって、心理的に、その後何世代にもわたって、トラウマを抱えることになるんです。なので、すべての人が、抱えあってます。

 日本政府が、米軍の性暴力、沖縄で起きている性暴力を隠ぺいしていた、それが7月に分かって、それも抗議しています。これ、ほんとうに、どんどんどんどん舐められているというか、中国を敵視することで、軍事や、そういったことが進めやすいということで、どんどん煽られて、どんどん舐められて、そういうところまで、つまり隠ぺいしてもいいという判断にまでなっている。もっともっと怒らないといけない。

 何としてでも、変えなきゃいけないし、さっき言ってたように若い人がもっと、もっともっと集って欲しいし、これまで運動してきた方とも連携して、知識とかを交換して、出来ることはなんでもしたいと思います。

 最後に、沖縄だけではなく、さっき日本全国に広がってるって言ってましたけど、グアムであったり、ハワイでも共同演習があって、オセアニアも日本軍とアメリカの戦場になってきた経緯があります。なので、そういった太平洋の小さな島々を、軍事的に使うなってことは、連携して言えると思います。その方法を探っていきたいと思います。ありがとうございます。


■■■■■■■琉球から、アイヌモシリから、パレスチナまで
琉球解放の方


 お疲れさまです。この人たちのお友達で、いつもパレスチナのデモとかに来てるんですけど、パレスチナのことをよく調べるようになってから、自分の出身地をよく考えるようになりました。私は北海道、アイヌモシリの千歳市出身です。

 この「キーン・ソード」は千歳基地でもやるんです。千歳で生まれ育って、18年住んでいて、それから東京に来たんですけど、千歳は空港が有名で、すぐ近くに自衛隊の基地があって、よく飛行機の音がする。小学校とか、窓を開けてると必ず、飛行機の音がして、それには戦闘機の音も含まれていたと思います。それで先生の声が聞こえなくなるような瞬間も、よく覚えています。ブルーインパルスが飛ぶ航空祭があって、子どものころそれを、無邪気に見に行ったりとか、していました。街中を、自衛隊の戦車が普通の道路を走るのを、何度も見たことがあり、それはいま考えたら、普通のことではない。それを分かりませんでした、子どものころ。
 
 基地がある、ということ、この「キーン・ソード」が行われるということ、もうひとつ別に、北海道…私の生まれ育った土地は、先住民がいた土地です。琉球も、同じです。さっき話に出た、オセアニアとか、軍事基地が建てらたり、戦争でいちばん最初に犠牲にさせられるのは、先住民の土地です。いま、パレスチナで起こっていることも、同じだと思います。米軍の基地がある。アメリカの武器で、人が大量に殺され続ける。いつもその最前線に立たされるのは、私たちより価値が少ないように、価値付けられた、先住民の人たちです。

 私は、和人の入植者の子孫として、今まで何も考えずに、千歳で生まれて育ってきた分、その責任も、返して行く必要があって、いまここに来ています。

 琉球から、アイヌモシリから、パレスチナまで。アメリカの帝国主義から、そして日本の植民地主義から、解放される、イスラエルの植民地主義からも、解放される必要があると思います。



■■■■■■■■
鯨井蜻郎さん

 今日はクロウサギです。何を話そうか。優先順位を迷ったんですが、まず

 私は横田基地の進入路の下に住んでいます。昨日の晩から「C-130J」っていう大型の米空軍の輸送機が、次から次へと、来るんですよ。旋回してるのかも知れませんけれど。そのほかの飛行機もがんがん来ます。運用時間というのがいちおう22時、夜の10時って決まってるんですけど、それ以降も飛んでるんです。もう止むかなと思って、23時、11時過ぎても飛んでる。0時過ぎた、飛んでる、1時半、飛びました。もう何がなんだか分かんないですね。で、低空で進入してくるわけです。今日は市役所のサイトに、こういう状況だけど米軍や防衛省から連絡来てるかと、メールを打ったんですね。サイトを見ると、今まで、2021年ぐらいまでは、事前に米軍から防衛省・防衛施設庁を通じて、これこれの日数に22時の運用時間を守れなくなるんで、夜中に飛びますよと、事前連絡が来てるみたいなんですけど、いまそれが、ないんですよ。舐められてます。そういう状況で、全国規模の演習が行われようとしている。ほんとうにアメリカが後ろ盾になった軍国主義という感じです。

 さきほど、沖縄とパレスチナが似ているという話をされましたけれど、思い出したのは、昨日ネットを見ていたら、これはイスラエル寄りのメディアの記事でしたが、PTSDですね、精神的外傷。これはガザ地区で作戦に従事したイスラエル兵が、イスラエルに戻って、精神的な障害で、いろいろ問題を抱えてしまっている、という記事なんですね。結論としては、ガザのせいで精神的障害を負った、ガザが悪いんだ、というニュアンスの記事なんですけど。この兵士が何をしたかって言うとですね、例として上げてたのが「D9」っていう超大型ブルドーザーがありますよね、家屋破壊とかに使っている、26トンもあるようなブルドーザーです。これで、ガザの家屋を破壊して、戦車が通る道をつくったり、ヨルダン川西岸地区でも、違法建築だとか、ここにテロリストがいるとか言って、民家を破壊したり、道路をほじくり返して、上下水道管を破壊して人が住めなくして…、これ西岸地区のジェニーンとかで起きてます。そういうことに使ってるブルドーザーに乗ってた兵隊がPTSDを負った。
 なんでPTSDを負ったかというと、パレスチナ人の遺体が、あちこち散らばっているわけですよね。その上を、キャタピラ車のブルドーザーで走った、轢いたと。そのことで良心の呵責がほんのちょっとでも、あったんでしょうね。それで精神的におかしくなったという話なんです。

 ブルドーザーというと思い出すのは「銃剣とブルドーザー」、沖縄です。とくに伊江島の闘争のことはご存知の方もおられると思いますけど、そこに住んでいた人たちを、米軍が…当時ライフルの先に銃剣がついてましたけれども、それで追い払って、戻ろうとすると撃つと、それで、ブルドーザーを使って沖縄の人たちの家をなぎ倒して、そこに基地を造る。そういう歴史が沖縄にあったわけですよね。1952年のサンフランシスコ条約のときに、日米和平を樹立すると言ったわけですけど、天皇が、沖縄は仕方ないと言って棄てたわけですよね。沖縄はそれから基地を押し付けられ続けてきた。そういう歴史があるということをもう一度、とらえ直さないといけないと思います。

 今日来てみてびっくりしたのは、警備がすごいですよね。なんか数日前にローンウルフ型の攻撃があったということで、これだけおられるんだと思いますけど。ローンウルフというと、考えてみるとここって、閣僚や首相の血が流れた場所なんですよね。5.15事件では犬養毅総理が殺されました。2.26事件の時には岡田啓介総理はかろうじて逃れましたけれども。それから東京駅で濱口雄幸総理が撃たれるという事件もありました。そういうふうに、日本の近現代史って上に立つ人、とくに政党政治家にとってはリスクを帯びた歴史がずっと続いてきたわけです。で、そう総理たちが誰に狙われたか、左翼?反米主義者?、違いますよね、マルクス主義にかぶれたソ連の手先?、違いますよね。足下ですよ。軍隊の青年将校たちにやられているんです。なんで青年将校たちは総理大臣を狙ったの?、政府に刃向かったの?、それは自分たちの出身の村の窮状ですよね、1928年から始まった大恐慌、子どもたちが多かったこともありますが、その貧困。姉妹は身売りをさせられた、人身売買まであったという。食べるものがないから、軍隊に入る。今でも、もうそういう貧困から自衛隊に入るっていうパターンが出来てると言われていますよね。そこで、こんなことではいけないと、天皇陛下に政治の権を戻さないと、悪政が続く…政党政治は、悪いものだと。政党の政治家たちは、ああでもないこうでもないと言って、議論ばっかりしていて、国を誤ると。だから、除かねばならないと言って、鉄砲を持って、政府を襲った、そういう歴史をずっと持ってるわけです。

 今の自衛隊の若い人たちが、そういう問題意識を持ってクーデターを起こすとは思いませんけれど、ただ、クーデターは起きてます。岸田総理がやったんです。2022年の「安保3文書」。国会も通さずに通した。そこから大軍拡が始まった。これから毎年、国家予算の11%くらい、対GDP比2%にしますと言って、ワシントンからパチパチと褒められた。

 このお金、どこから来るんですか、私たちのふところですよね。黙ってていいんですか。これから私たちにかかってくる税金。それから、前の戦争では、戦時国債というものが乱発されて、うなぎのぼりに軍事費が上がったんです。だからもう、ほとんど破産状態だったと言っていいわけですよね。私の祖母も、敗戦後、戦時国債を庭に積んで、泣きながら焼いた、って言ってましたけれども、そういうことで国民に負担をかけながら軍拡を進めていく。誰のための軍拡?

 杉原さんが言われましたが、10月16日から19日に、東京ビックサイトで行われた航空宇宙展…事実上の軍事展示場ですけれども、企業たちが、この増額された「防衛費」という名の軍事費に、待ってましたとばかりに、たかってきた。それがいまだということです。だからメディアのみなさん、そのことをもっともっと強調してほしい。でないとね、ほんとうに戦争起きますよ。

 「キーン・ソード」もそうですけど、この夏にアメリカのエマニュエル駐日大使が、与那国島と石垣島に行きました、勝手に。それで糸数与那国町長、極右の町長ですけれど、ふたりで、にっこり笑って写真を撮ってました。そういうことで中国を刺激しまくった上に、この大演習ですよ。

 ちょっとパレスチナ関係でつけ加えますと、このエマニュエルさんというのはとんでもない人です。「ラーム・エマニュエル」という名だけが表に出ていますけれど、ミドルネームがあって、「イズラエル」です。なんで「ラーム・イズラエル・エマニュエル」かというと、親父さんは、イスラエルにいた人で、1928年くらいの生まれです。1948年の、パレスチナ人にとっての大災難・ナクバの時に、20歳くらいの民兵だったと思います。ナクバをご存知の方はお分かりだと思いますけれども、デイル・ヤシーン村虐殺事件というのがありました。これをやったのがイルグンという極右の民兵組織で、そこにいたのがエマニュエル大使のお父さんの、ベンジャミン・エマニュエルです。そういう親父さんにイスラエルという名前をもらった人が、いま盛んに日本で、イスラエル支援の言説をふりまき、長崎の市長を貶め、被団協のノーベル平和賞にも、どうもコミットしたんじゃないかと。というのは、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)とか、ICJ(国際司法裁判所)がノーベル平和賞を受賞するのを避けるために、被団協を受賞させたのではないかとう疑いもあるぐらいです。

 そういう人に対して石破さんはものを言えるのか。独立国として。軍事同盟なんて言ってる場合じゃなくて、パレスチナ問題の正当な解決を、ちゃんとワシントンや赤坂にものが言えるような政治をすべきだと、選挙がどうなるか分かりませんが、そのことを求めたいと思います。
 そして「キーン・ソード」、即刻中止してください。以上です。



◆コールの補足 石井信久

 言い忘れていましたが、コールの中に、「陸上自衛隊演習やめろ」というのがあります。「陸上自衛隊演習」というのが、9月2日から11月下旬まで、行われています。
 3年前(2021年)に、30年ぶりにこれが行われました。全陸上自衛隊10万人を動員し、史上最大規模と言われた。それが、いま3年ぶりに、そして「キーン・ソード」に合流して行われます。この「陸上自衛隊演習」にも抗議したいと思います。

(※「陸上自衛隊演習」では、陸自の報道発表冒頭に「師・旅団の機動展開等をはじめとする実働訓練」とある通り、「大移動」が訓練の大きなテーマのひとつとなっている。産経新聞によると、「陸自は有事の際、沖縄所在部隊を除く14師旅団が機動展開する」という。琉球弧を戦争に使う際には、全国の自衛隊の部隊と、膨大な量の物資が「南西方面」へ向かう。その機動展開と輸送の課題を検証し、展開先で「キーン・ソード」に合流して島嶼戦争訓練に参加する。)


◆◆杉原浩司さん補足

 さっき言い忘れたことで、お話したいのが、イスラエル製の攻撃型ドローンの輸入を止めようってことで、不買運動もふくめて、続けています。その中の輸入代理店の3社が、国際航空宇宙展にも出展していて、僕はそれぞれ、かなりしつこく追求もしたんですけど、まともに答えはありませんでした。

 このドローン問題、実は、琉球弧の基地建設や軍事演習ともひじょうにつながっています。なぜかと言うと、いまアメリカがあたらしい軍事戦略を作っているわけですけど、宇宙展の展示でもほんとうにドローンが多かったんですね。ウクライナでもガザでもそうですが、いま、ドローンによって人を殺していくという時代になっていて、いざ台湾海峡に中国軍が、海を越えようとしたときに、アメリカは、ひじょうに多くのドローンを使って、それを撃退する、という戦略を立てています。着々といま、その準備に入っているんですね。万単位の小型のドローンを飛ばして、中国の軍隊の機先を制するということを、真面目に考えているわけです。

 そういう中で日本も、イスラエル製の、たとえば小型のドローンで言えば、もう310機を、2025年度の予算に、30億円計上していて、このままいけばイスラエル製が導入される恐れが残っている。という状況の中で、「台湾有事」と言われる中国との戦争を見据えたアメリカの戦略と、一体のものとして、自衛隊がいまイスラエル製もふくめたドローンの輸入をやろうとしているってことなんです。ですから私たちはこれを何としても、止めなきゃいけないと思っています。

 その上で、しつこくて恐縮ですが、『地平』という雑誌があります。その11月号に、この自衛隊と殺人ドローンの特集が組まれていて、私の文章と、いま遠い地で働いている平山貴盛さん(ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会)のインタビューと、実際にガザでどのようにドローンが使われているのかのレポートの翻訳記事が載っています。
▶『地平』11月号

今後のインフォメーション
 琉球弧、とりわけ辺野古の基地建設に反対してこられた、加藤宣子さんが『〈会社〉と基地建設をめぐる旅』(ころから)というあたらしい本を出版されます。この刊行記念のシンポジウムが11月9日に、飯田橋の東京ボランティア・市民活動センターであります。戦争加担企業への責任追及ということで、「基地・兵器・強制動員をめぐって」というタイトルで、加藤さんと、杉原と、それから戦争責任の問題を追求されてきた竹内康人さん、この3人のシンポジウムをやります。
▶ころからホームページ
▶レイバーネット・イベント 
11月9日(土)東京ボランティア・市民活動センター、18:20会場、18:30開演、参加費500円


 STOP大軍拡アクションの仲間でもある植松青児さんなどが中心に企画している、「台湾と沖縄」というシンポジウムが11月4日、月曜日(休日)にあります。これは、以前京都で行われたシンポジウムの記録をもとに作られた本が、みすず書房から出版されるということで、その記念で行われます。
 武蔵野公会堂で午後1時半から4時まで。メインのスピーカーは京都大学の駒込武さんです。
▶みすす書房ホームページ『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い 「台湾有事」論の地平を越えて』駒込武編
▶レイバーネット・イベント
11月4日(月・休)武蔵野公会堂(吉祥寺駅南口2分)、13:30~16:00、参加費無料(予約優先)

 参加者は28人でした。

 
●動画(youtubeチャンネル:武器取引反対ネットワークNAJAT)












写真提供:西中誠一郎さん、杉原浩司さん。ありがとうございました。

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