〈報告〉「キーン・ソード」やめろ!10.22官邸前行動①

 

 10月22日(火)18:00から、
琉球弧を踏みにじり、全国を戦争でつなぐ日米共同統合演習
「キーン・ソード」やめろ!10.22官邸前行動

呼びかけ:島じまスタンディング、STOP大軍拡アクション ▶呼びかけ文など

を行いました。参加28人。「琉球解放」を掲げる比較的とても若い世代の方々も来てくれました。

 まず「キーン・ソード」の期間中になるべく早く報告をしなければ、ということで、〈報告〉①では、司会者と、今回の演習のことを主に言及した2名の発言内容を掲載します。
(以下、発言の文字起こしをもとに、要約、修正、省略、情報追加などの改変を一部しています。ご了承ください)


■司会とうた:Fujikoさん(島じまスタンディング)

 雨が降ってきちゃいましたね~。
 10月23日から11月1日まで行われる日米共同統合演習「キーン・ソード25」(10日間+前後に準備・撤収期間等)。北は北海道から、私のふるさと青森、茨城、埼玉、東京、神奈川、石川、静岡、愛知、京都、大阪、鳥取、広島、山口、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄…。36の民間空港・港湾が軍事演習場になり、輸送や部隊の機動展開の拠点となります。そして23の都道府県を戦争でつなごうとしています。冗談じゃないです。今日は、官邸前で、皆さんと共に声を上げたいと思います!

 


■■中国にとって、「台湾独立勢力」の制圧と、米日を中心とする対中戦争態勢への対抗が、同じひとつのものになるよう仕向ける。それがどんなに危険なことか!
石井信久
(島じまスタンディング、当ブログ筆者)

 こんばんは。雨、止んできましたね。よかったです。

 今月の14日から、中国軍が台湾を取り囲んで軍事演習を行いました。台湾への地上攻撃を想定した訓練で、「台湾独立勢力」への警告だと中国は言っています。このような、台湾の人たちへの威嚇、軍事による圧迫を、決して許してはいけない。
 でも残念なことに、いまの日本政府には、中国を批判する資格はないと思います。

 いまの中国の台湾に対する強硬姿勢は、ただ単に「独立勢力」に対するもの、というわけではありません。中国から見れば、台湾の後ろに、アメリカや日本がいます。対中国ミサイル戦略の、重要なチョークポイントの海上封鎖を台湾に担わせようという米日の意図がはっきり見えます。だから中国の台湾に対する警戒は、中国包囲網に台湾が加わることへの警戒でもあります。

 つまり中国にとって、「台湾独立勢力」を押さえ込むことと、米日を中心とする対中戦争態勢に対抗すること、この本来別々のものが、同じひとつのことになる、ということです。そう仕向けることがいかに危険なことか、それを分かっていて、米日は台湾有事キャンペーンを進めています。そういう意味で、今回の「キーン・ソード」はかなり危険な領域に踏み込むものです。

 「キーン・ソード(実働演習)」と「キーン・エッジ(図上演習)」という2つの日米共同統合演習が、一年おきに交互に行われています。昨年度…今年2月の「キーン・エッジ」は、その直前の昨年12月に完成したという、「台湾有事」に関する日米共同作戦計画の原案を踏まえて行われました。その演習の結果を反映させた上で、今年度中に作戦計画の正式版を策定すると報道されています。2月の「キーン・エッジ」では、初めて仮想敵国が「中国」であると明示されたそうです。こういう流れの中で、今回の「キーン・ソード」が始まろうとしています。

 琉球弧の島じまを敵の射程圏内の「戦域」と想定し、その中の40もの島じまに分散展開して、敵にミサイルを撃ち込ませながら、残存して持久戦を行う、というような、島じまをめちゃくちゃにすることが前提の、特定秘密に指定されたらしい作戦計画を、完成にむけてさらに検証する、という意味合いが今回の「キーン・ソード」にもあると思います。

 今回の演習の統幕監部の報道発表の冒頭に、「自衛隊と米軍は力による一方的な現状変更の試みは断じて許さないという強い意思の下…」と書かれています。いつもの慣用句とはいえ、これはただの演習ではなく、意思表示だということです。中国が仮想的だと明示されたシナリオを具現化する訓練を行うにあたって、それが意思表示だと示したことは、軍事挑発そのものであって、ほんとうにたいへんなことが、いまから行われようとしています。

 そういうものが、23の都道府県で、36もの民間空港・港湾を使って、一部もう始まっていますが、明日から本格的に始まるということで、今日は、このアマミノクロウサギのお面を作ってきました。まだ少しあるので、よかったら、こちらにあります。

 アマミノクロウサギというのは、奄美大島と徳之島だけに住む、とてもユニークな生態をもつウサギです。夜行性で、巣穴をつくって暮らしていて、子どもは、子ども専用の巣穴に埋めるんだそうです。子どもを巣穴に埋めて、2日に1回だけそれを掘り起こして授乳する、あとは放っておくという、すごい子育てをしているウサギで、そのシーンがこのお面です。


 こういうウサギが住んでいる奄美大島と徳之島を含む奄美群島が、近年とくに狙われている。今回も、あまりにもひどいと、防衛省の資料を見て思いましたが、そういうことが、今回だけじゃなくて、2年前の「キーン・ソード」では徳之島で派手な着上陸訓練とかいろんな訓練が行われて、その時水陸機動団の団長が「こんな規模の訓練はめったにできない」とか言ったそうです。そういった「めったにできない」訓練が、たった2年の間に、もう既に常態化されてしまっています。徳之島には軍事施設がありません。そういう島で、空港や港湾…空港港湾だけで10ヶ所です。それから海岸や公園や、公民館、闘牛場、クロウサギの住む山の中、とかありとあらゆるところで、34もの施設や場所で、徳之島では軍事訓練が行われます。戦闘機の連続離発着訓練もあります。ミサイル車両が展開する沖永良部島も、喜界島も、奄美群島全体が軍事演習場であるかのように、扱われています。

 琉球弧の島じまには、全国からミサイル部隊が、北海道や青森など全国から集結します。それに加えて石垣島には海兵隊のハイマース(高機動ロケット砲システム)が来ます。奄美大島には、海兵隊のハイマースだけじゃなくて、アメリカ陸軍のハイマースも展開する。こういうふうに、いまの戦争態勢の主力となる地対艦ミサイルが琉球弧に集まって、これから配備される長射程のミサイルも含めて、それぞれが役割を担って、この島じま全体に分散展開するという、いま考えられている戦争の形を具現化する訓練が行われます。

 与那国島では、前回の「キーン・ソード」では初めて米軍が展開して、自衛隊の戦車が公道を走るということが起こりました。今回は、日米のオスプレイが両方とも展開します。何の訓練かというと、衛生訓練の後送訓練というのですが、琉球弧の島じまでたくさんの傷病者が発生したという想定で、戦争でけがをした米兵や自衛隊員を、まず、与那国、石垣、沖永良部で応急処置をして、沖縄島の自衛隊那覇病院に運んで、そしてより高度な治療が必要な患者を九州の自衛隊福岡病院や埼玉の自衛隊入間病院(南西シフトの後送態勢の拠点として、航空自衛隊入間基地に2022年に開設された)に送る。そしてさらに、最終後送先となる東京の自衛隊中央病院や横須賀病院に送る、という、これも、戦争で全国をつなぐ訓練が行われます。

 そういう訓練を、挙げていったらきりがないんですけど、どんどんやりたい放題になっていて、軍事演習が戦争に発展する危険性すらある、そういう状況になりつつあります。
 そのことが知られていない、あまり報道もされない、という中で進められていることに、非常に危機感を覚えています。こんなことを、これ以上やらせない、やらせてはいけない、と意思表示して、そういう流れを作っていかないと、やばいことになるぞと、そういう状況だと思いますので、今日は声を上げていきましょう。よろしくお願いします。



■■■衆議院議員がゼロ…権力が空白状態の時に、中国を仮想的にした軍事挑発演習が行われる異常さ/立憲民主党政権で止まるのか
杉原浩司さん
(STOP大軍拡アクション、武器取引反対ネットワーク NAJAT)

 こんばんは。今日は気温的にはちょうど良いくらいなので、落ち着いて話ができるかなと、思ってます。

 よく考えると、いま、選挙やってるわけですよね。選挙やってるのに、自衛隊と米軍がまったく関係なく、着々と戦争の準備・訓練をしているってことは、よく考えたらひじょうに恐ろしいことだと思います。文民統制っていう言葉がありますよね。シビリアン・コントロール。政治家が軍をきちっとコントロールすると。日本の侵略戦争の反省を踏まえて、軍の暴走をさせない、ということのはずなんですけど、そもそも衆議院議員が、いまゼロなんですよ。選挙をやって日曜日にようやく決まる。正確に言うと首相も、石破さんが首相にはなっているけれども、仮に落っこちたらもう首相でなくなるわけですよ。落ちないですけどね、強いから。そういうある意味で権力の空白状態のときに、中国を仮想敵にした軍事挑発演習が、ものすごい規模で行われるということは、ほんとうに異常だと思います。

 その異常さを、分かっている人が日本に何人いるのかなと。僕もいま話しながら分かったんですけど。やっぱり恐ろしいのは、ひどいことが進むのはひどいんですけど、ひどいことが進んでいることが認識されていない。知るべき人に知られていないまま、いろんなことが進んでいるのが、ひじょうに恐ろしいと思います。

 国際航空宇宙展。16日から19日まで東京ビックサイトで行われていた、国際航空宇宙展という名の、海外ブースは事実上の武器見本市であるということ。このことも、事前に記者会見したので事前に報じてほしかったけれども、事前には出ず、東京新聞特報部は良い記事書いてくれましたけれど、朝日・毎日は無視して、テレビメディアはほとんど何も伝えてない、という状況、メディアの責任。

 それから、今日言おうと思っているのは、野党の責任も大きいと思います。いま選挙でいろんな予測が出ていて、なにしろ自民党がむちゃくちゃなので、さすがに自民党はかなり議席を落とすそうです。その分立憲民主党がわりと伸びるとされていて、自民党が落ちることはとても喜ばしいわけですけど、じゃあ仮に、立憲民主党を中心とする政権になったら、この軍事演習どうなるんでしょう。武器輸出はどうなりますかね。あるいは武器見本市とか、あるいは日本のパレスチナへの虐殺への加担は止まるんでしょうか。そこが問題なんですよ。

 立憲民主党の政策集をホーム・ページで見まして、すごい細かくいろんな政策が出ています。選挙前ってことでリニューアルされてます。いまの状況に即して、いろいろなことが書かれていて、勉強になったんですけど、例えばこういうことが書いてあるわけです。

 「わが国島しょ部などへの軍事的侵攻を抑止し、排除するためのミサイルの長射程化など、自衛のためのミサイル能力の向上を進めます。」
 
 だから結局、トマホークを400発、レイセオンの…「RTX」に名前を変えたけれども、イスラエルに武器を送っている戦争犯罪企業から400発もトマホークを買っています。三菱重工が4種類もの敵基地攻撃ミサイルをいま作ってます。いずれは、琉球弧に配備が狙われている。でも、政権変わっても、これ止まりそうもないわけですよ、これを読むと。
 
 それから「自衛隊の継戦能力を強化します」…戦争を続ける能力を強化しますって書いてある。「弾薬等の備蓄を増やし」って書いてある。いま大問題になっているのは、大分の弾薬庫とか、京都・奈良・大阪の間にある祝園弾薬庫とか、各地に日本中に弾薬庫がどんどん増設されて、そこにトマホークとか、三菱重工がいま作ってる12式うんちゃらかんちゃら能力向上型というのが保管されようとしているわけです。地元は反対運動がんばってます。でもこれも止まりそうもないわけですよね。

 ですから私たちが考えないといけないのは、自民党や公明党がやってることもひどいけど、政権変えて世の中良くするって言ってる立憲民主党がこの状態である限りは、止まらないっていうことなんです。だから私たちは軍事演習に反対してここでも行動するし、琉球弧や沖縄でもがんばってますけれども、現場でがんばってもなかなか止まらないです、残念ですけど。政治的に止めるしかない。

 そのために私たちは、今までもずっと言ってきてるんですけど、立憲民主党を、つくり変えるくらいの構えで、声をぶつけて、真っ当な人をちゃんと再選させて、だめな人は落とす。といっても僕ら、なかなか落とす力はないけれど、いずれにしてもやっぱり諦めずに、立憲を含めた立憲野党がですね、もっと真っ当な、軍縮に向かうような、パレスチナの問題でもきちっとイスラエルに制裁するような、そういう政府をきちっとつくらなきゃいけない。主権者の責任だと思ってます。

 もうちょっとだけ言うと、国際航空宇宙展で、タダで入れるので僕も3日間入って、いろいろセミナーも聞いて、展示も見て、カタログとか、ボールペンとかいろんなものをもらってきたんですよ。それで、ハイマースとかもあるんです。この発射台にいろいろなミサイルが積めますよと、いうことで、いちばん距離が長い、500km飛ぶのが、この略称でPRSMってやつです。500kmだから、琉球弧から飛ばせば中国の一部まで届きます。

 そういうミサイルを展開したり、沖縄から北海道に運んだりするわけですね。もう、中国刺激しないはずはないですよ。そんなことを選挙やってる時にやるってことがほんとうにおかしいので、今日を含めて、私たちはいろんな形で、SNSでも発信して、政治家にも声を届けなきゃいけない。

 いま立憲民主党って琉球弧の基地建設に反対してないんです。辺野古は反対してるけど。せめて反対させなきゃいけないですよね。そいうことも含めて、私たちのやるべきことはいっぱいあります。出来てないんですよ。ほんとうに出来てない、東京の平和運動は。僕らもやってるけど力が足りないので、今日、若い人たちも来てくれて本当に心強いので、連携して。僕らがやらないと、誰もやらない、というのは言い過ぎですけど、それに近いのがいまの状況だということを確認して、これからもいっしょにがんばっていきたいと思います。
 がんばりましょう。



 

 

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